ハニートラップはお断り【名探偵コナン】 (ページ2)

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第一話ページ2

いつも通り目が覚めた。
今日は午後からの講義だからゆっくりできる。

そんなことを思いながら時間を確認しようと傍にあるはずの携帯を手探りで探すが、どうにもそれらしきものに出会えず、まだ重い自身の体を無理やり起こして辺りを見渡す。

「……？」

自分はまだ夢の中にでもいるのだろうか。
見たことない壁紙に家具、自身がさっきまで気持ちよく体を委ねていたベッドもよく見れば見知らぬもので、ついでに言えば自分の着ている服も見知らぬものであった。

起きたばかりのぽやぽやな思考では理解するのにはまだ当分かかりそうで…いや、普通に目覚めても理解などできない。

夢かと思い自分の頬をひっぱたいてみたが見事な紅葉と痛みが残っただけであった。

「痛い……」

残念ながら夢ではなかったためなんとかぽやぽやな脳みそを覚醒させ考える。
…昨日は普通に寝たよね？

どんなに寝る前の記憶を辿っていっても思い浮かぶのはいつも通りの日常しか浮かばず余計訳が分からなくなった。

もう一度辺りを見渡せばベッドの横の小さなテーブルによくホテルでみる内線電話があり、思えばこの部屋はどこかホテルのようだと感じた。
いや、ホテルだ。少しドアの方へあるけばユニットバスがあったし、内線が置いてある机にこのホテルのパンフレットらしきものが置いてある。

「こ、こめはな？？こめはなホテ……あ、違う、べいか、米花ホテル……」

簡単な漢字に変な読み方をしてしまったが、漢字の下に小さくローマ字が振ってあったためここが米花ホテルだということが判明した。

べいか…米花……

どっかで聞いたことあるような…ないような…

少なくとも私の住んでいる周辺の町にそんな名前の町はない。
まず東京であるかも怪しい……。

どこかに住所が載っていないかとパンフレットをめくっていると、一番最後のページに載ってあった。

「えーっと…と、東都？」

私は目をこすってもう一度住所を見るが間違いなく一番最初に東都と書かれていた。

いやどこだよ！！！！！

思わず突っ込みをいれてしまったが、一番最初に書いているのだからこれが都道府県名なのだろう。
しかし私はこの20年間生きてきて日本に”東都”なる県があることなど聞いたことがない。

え～…本当にどういうこと……

流石に覚醒した脳でも処理できなくなってきたとき、

ﾌﾞｰｯ、ﾌﾞｰｯ

どこからか携帯のバイブレーションが聞こえてきた。