47 贖罪〈ﾛﾍﾞﾙﾄside〉 ページ45
「Aが一緒に居れば、敵も味方も欺くのは簡単だからな」
頬を緩めていた俺は、心を切り替える為にひとつ深呼吸をすると、目線を上げてマガト隊長を見据える。
俺の真剣な眼差しに、マガト隊長も心なしか姿勢を正した。
瞳の奥に揺るぎない思惑を隠し、口を開く。
「乗ってくれるだろう？この国のために。あの子達の未来の為に…」
「もちろんです。あの子達が幸せに暮らしていける未来が築けるなら…」
そう言い放つマガト隊長の瞳にも、揺るぎない決意が燃え上がった。
見つめ返した俺は、すぐにひとつの結論に思い至ってしまう。
「後悔、しているんだな…
「あなたも後悔している。Aを戦士候補生から落選させた事を…不合格にするほど悪い成績ではなかった」
「あぁ…Aを知ってから調べて分かった事だ。今更だよ、マガト隊長。それはあなたもだろう？」
そう問うと、マガト隊長はぎくりと肩を揺らし、目を見張った。
表情が強張った彼に、俺は宥めるような眼差しを向ける。
「『生涯奉仕』を課せられたエルディア人であるという特記事項をAの書類から消し去った」
躊躇わずに思い当たる事実を整然と並べると、マガト隊長は目を伏せた。
そして珍しく弱々しい声音で、素直な想いを吐露する。
「戦士隊を任せられる者としては、その事実の色眼鏡を外して選別していただきたかった。だが、今となってはそれは間違いでした。あなたの性格をもっと知っておくべきだった…」
「あぁ…後悔ばかりだな、私達は…」
俺はマガト隊長と肩を並べて立ち、窓の下でじゃれ合う戦士達を無言で眺めた――…
…――
当時、戦士候補生としてのAは、全ての成績が平均以上であり、合格ラインは完璧にクリアしていた。
ただ、頭脳明晰でリーダーシップがあったり、ずば抜けた格闘術を持っていたり、いかなる場面に置いても冷静な判断力を持っていたりと、目立った特徴はなかった。
写真を見る限り、見た目も可愛らしく、特記事項に『奉仕』の文字も確認できなかった。
だから、せめてこの子は戦士になどならず、レベリオという狭い世界でも慎ましく幸せに暮らせるようにと、不合格の印章を俺が押した。
もし、特記事項に『奉仕』の二文字が記載されていれば、迷わず合格の印章を押していただろう。
これからの俺とマガト隊長が進む未来は全て、眼下の彼らの為にある。
贖罪になるとは思えないが、少しでも幸せを感じられるように、笑顔を絶やさぬようにと…願わずにはいられないのだ――…
*
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夢梨(プロフ) - sato711825さん» コメントありがとうございます！意外とポルコ推しさんがいてくれてほっとしています。場面が思いついたら更新していますので、お付き合いいただけると嬉しいです(*´∀`)♪ (2021年4月22日 16時) (
レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
sato711825(プロフ) - 続きが見たいでえええす！！！！ポルコ推しなので私得ですっ！ (2021年4月21日 1時) (レス) id: 2b67c28291 (このIDを非表示/違反報告)
夢梨(プロフ) - Ronnyさん» コメントありがとうございます！ライナー好きさんがいてくれて安堵しました(*´ω｀*)頭の中に浮かんでいる言葉や場面をまとめるのに時間がかかりますし、期待に応えられるか自信もありませんが、何とか読者様が没入できるお話を書きたいと思います(*^^*)♪ (2021年4月11日 15時) (レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
Ronny(プロフ) - あああああああどうなるんだ!!!!ポルコもライナーも好きだからつらいw次の更新も楽しみに待ってます! (2021年4月10日 23時) (レス) id: d499d51969 (このIDを非表示/違反報告)
mitsuyuu0907(プロフ) - 夢梨さん» お返事ありがとうございます。そうです。ポルコ落ちのお話を作っていただきたいです！本当にポルコの夢小説少なくてポルコ不足なんですよね_(´-`_ _)_よろしくお願いします！ (2021年4月5日 21時) (レス) id: a8ac705c71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢梨 | 作成日時：2021年1月16日 19時
