4 待ちわびた再会 ページ4
「却下！？」
「なんだエルディア人。不服か？マーレの決定に叛くのか？」
窓口担当のマーレ人の男性は、私の言葉で一気に険しい表情に変わった。
うっかり口に出してしまった不満を慌てて繕う。
「いえまさか！…ありがとう…ございました…」
「…ったく。名誉マーレ人でもない悪魔の末裔に、軍港への外出許可証なんて出せる訳がないだろう…若い奴らは自分の身分をとんと分かっちゃいねぇから困ったもんだ…」
窓口担当の男性が、何やらぶつくさ文句を言うのを背中で聴きながら、トボトボと役所を後にする。
ポルコが言っていた通り、外出許可は下りなかった。
やっぱり名誉マーレ人じゃないと、自由にこの収容区外へは行けないんだ。
それなら…
私はある場所へ向かって歩を進めた――
――…
「Aじゃないか。こんな時間にどうしたんだ？」
収容区の門の前で、暗くなるまでライナーが帰ってくるのを待とうと収容区の門に近づくと、見慣れた顔が優しく笑った。
「今日ね、ライナーが帰ってくるの！このレベリオに！」
「おぉ、そうか！ てっきり死んだものとばかり…まさか生きていたとはな…良かったなぁA」
「うん！早く逢いたいね」
「そうだな…」
おじさん達は感慨深そうに『うん…うん…』と頷き合って、私に温かい微笑みを向けた。
この門兵のおじさん二人は、戦士のライナー、戦士候補生のポルコ、私達３人の関係を幼い頃からずっと見守ってくれている。
エルディア人だからと蔑まないで接してくれる、マーレ人には珍しい二人だった。
夕方を過ぎて辺りが橙色に包まれていき…
すっかり闇に包まれた頃、ポルコの後ろから、もの凄く逞しくて大きな男の人が俯きがちに歩いてきて…
「ライナー！」
「A…」
その面影に確信した瞬間、胸が高鳴る名前を叫んでいた。
ライナーの前を歩くポルコが、分かり易く眉根をきつく寄せたのが分かったけれど…。
分かってはいても、５年ぶりのライナーに逢えた感動の方が上回ってしまった。
近くで見るライナーは凄く背が高くなっていて身体も大きく逞しく、無精髭すらも大人っぽくてかっこいい。
５年前、同じこの場所で見送った時とは別人だった。
胸が…苦しい…ッ
「ライナー…久しぶり…だね…」
緊張して発した声は震えていた。
ぎこちない笑顔を浮かべる私から、ライナーが視線を逸らし…
数秒の無言ののち。
「俺には…関わらないでくれ」
５年ぶりの言葉。最初の一言。
目を合わせずとても低い声で答えたライナーは、その瞳に私を映すことなく風を切って横を通りすぎた。
*
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夢梨(プロフ) - sato711825さん» コメントありがとうございます！意外とポルコ推しさんがいてくれてほっとしています。場面が思いついたら更新していますので、お付き合いいただけると嬉しいです(*´∀`)♪ (2021年4月22日 16時) (
レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
sato711825(プロフ) - 続きが見たいでえええす！！！！ポルコ推しなので私得ですっ！ (2021年4月21日 1時) (レス) id: 2b67c28291 (このIDを非表示/違反報告)
夢梨(プロフ) - Ronnyさん» コメントありがとうございます！ライナー好きさんがいてくれて安堵しました(*´ω｀*)頭の中に浮かんでいる言葉や場面をまとめるのに時間がかかりますし、期待に応えられるか自信もありませんが、何とか読者様が没入できるお話を書きたいと思います(*^^*)♪ (2021年4月11日 15時) (レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
Ronny(プロフ) - あああああああどうなるんだ!!!!ポルコもライナーも好きだからつらいw次の更新も楽しみに待ってます! (2021年4月10日 23時) (レス) id: d499d51969 (このIDを非表示/違反報告)
mitsuyuu0907(プロフ) - 夢梨さん» お返事ありがとうございます。そうです。ポルコ落ちのお話を作っていただきたいです！本当にポルコの夢小説少なくてポルコ不足なんですよね_(´-`_ _)_よろしくお願いします！ (2021年4月5日 21時) (レス) id: a8ac705c71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢梨 | 作成日時：2021年1月16日 19時
