28 切ない微笑み〈ﾗｲﾅｰ&貴女side〉 ページ26
あまりにもAが心配に顔を歪めるので、逆に俺の方は気持ちが凪いでいく。
柔らかな頬に触れたい衝動を抑えて両手拳を握り、Aを見つめて微笑んで見せた。
するとAは顔を赤くして視線を逸らした直後、俺の様子を窺うように上目遣いで見つめてきた。
か…可愛いんだが…
今すぐに抱きしめたい…ッ
いや、ポルコが居ないこの状況ではダメだ。我慢しろ…！
「あぁ…そうだ。３年間、苦楽を共にした仲間であり、友人と呼べる奴らだった」
既に懐かしいあいつらの顔を１人ずつ思い浮かべていく。
自然と口元が綻んだ。
「だが…俺は名誉マーレ人…九つの巨人の鎧を継承したマーレの戦士なんだ」
すぐに口を引き結び、理想と現実の溝を埋めるために、大層な名誉と変えられない使命を掲げて、
「だから、あいつらは…大切な友人で仲間だが…もう一度、
愛するAに
【Aside】
「ライナー…ッ」
ポルコが居ないこの状況ではダメだって頭では理解している。
けれど、目の前で切なく微笑むライナーを抱きしめて慰めたい衝動が、身体中に溢れ返っていた。
私は…本来はとても優しい性格のライナーを信じてる。
あれから５年経っても、きっと本質は変わっていない。
過日の楽しい思い出を噛みしめるように、柔らかな表情と言葉で話す彼の話の中には、『悪魔』なんて存在しなかった。
とても仲の良い仲間や友達の話にしか聞こえなかった。
マーレの学校で習ったこと、本で読んだこと。
人知れず、ずっと疑問に思っていた答えをライナーがくれた気がする。
「私はライナーを信じるよ」
「A…」
そんな気持ちを素直に伝えると、ライナーは安心したようにほっと息をついて微笑んだ。
トクンッ…と胸が高鳴る。
私は今、ライナーのこの優しい笑顔に凄く弱い。
絶望に打ちひしがれて全てを諦めたような…
それでも僅かに、どこか希望を抱いているような…
５年前は、何も知らない希望溢れる子供だったこともあって、ライナーはいつも無邪気な笑顔を見せていたことを憶えてる。
けれど、今だってまだ18歳。
成人したばかりの男の子が、こんなにも心が痛む微笑み方をするなんて…
パラディ島で過ごした日々の中でライナーは、私やポルコよりも一足先に大人になってしまったらしい。
ライナーの温もりを欲しがり始めたとき、ポルコの姿が視界に映る。
「あ、ポルコ！」
ライナーへ向かう気持ちを誤魔化して、私はポルコの元へと駆け出した。
*
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夢梨(プロフ) - sato711825さん» コメントありがとうございます！意外とポルコ推しさんがいてくれてほっとしています。場面が思いついたら更新していますので、お付き合いいただけると嬉しいです(*´∀`)♪ (2021年4月22日 16時) (
レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
sato711825(プロフ) - 続きが見たいでえええす！！！！ポルコ推しなので私得ですっ！ (2021年4月21日 1時) (レス) id: 2b67c28291 (このIDを非表示/違反報告)
夢梨(プロフ) - Ronnyさん» コメントありがとうございます！ライナー好きさんがいてくれて安堵しました(*´ω｀*)頭の中に浮かんでいる言葉や場面をまとめるのに時間がかかりますし、期待に応えられるか自信もありませんが、何とか読者様が没入できるお話を書きたいと思います(*^^*)♪ (2021年4月11日 15時) (レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
Ronny(プロフ) - あああああああどうなるんだ!!!!ポルコもライナーも好きだからつらいw次の更新も楽しみに待ってます! (2021年4月10日 23時) (レス) id: d499d51969 (このIDを非表示/違反報告)
mitsuyuu0907(プロフ) - 夢梨さん» お返事ありがとうございます。そうです。ポルコ落ちのお話を作っていただきたいです！本当にポルコの夢小説少なくてポルコ不足なんですよね_(´-`_ _)_よろしくお願いします！ (2021年4月5日 21時) (レス) id: a8ac705c71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢梨 | 作成日時：2021年1月16日 19時
