26 正々堂々〈ﾎﾟﾙｺside〉 ページ24
４年前。
少年期を抜け出して青年期の入口に立っていたあの頃。
今よりも更に、血気盛んだった――…
「おい、ライナー！近すぎだ、離れろ！」
「そう言われてもな…離れると教本が読めない」
「分からないところをちょっと聞いてるだけだよ」
「んなもん、俺に聞けばいいだろ！」
「だってポルコ、兵法学、苦手じゃない」
「ぐっ…ｸｿｯ…」
ライナーはAと抱き合っていたあの日から、次第に表情と雰囲気が明るくなり、Aとの距離が縮まっていった。
Aも今は、恋人である俺を放って仲良く教本を広げ、ライナーに教えられたことをノートに書き止めている。
「ありがとうライナー！凄く分かりやすかった！」
「いや…いつでも教えてやる」
「うん！きっとまたお願いすると思うから、よろしくね！」
「あぁ…」
ライナーが微笑んで、Aの頭を撫でている。
Aも気恥ずかしそうに肩をすくめて、クスクス笑っていて嬉しそうだ。
レベリオ収容区の門前広場でライナーを殴った翌日、気まずい感情を抱えて軍の兵舎に向かうと、いつもと変わらない態度のライナーに出くわした。
さすがに理由もろくに聞かず、その場の勢いと感情に任せて殴ったことを謝ると、
「あれは俺が悪かったから仕方ないさ。だから、これからは正々堂々とすることにした」
何か吹っ切れたように口元を緩めたライナー。
悪びれもせずにそう宣言して、訓練施設へと向かっていった。
「はぁ！？待てよライナー！」
急にどうしたってんだ！
正々堂々と…だと！？
そんな事をされたら、益々Aはお前に傾いちまうだろうがっ！！
「ガリアード！後で隊長室に来い！」
訓練と言えども作戦をミスった俺は、度々こうしてマガト隊長に呼び出されていた。
その間に…
収容区の門前広場。
最近、噴水前に設置されたベンチに、Aとライナーが見つめ合い、並んで座っていた。
その光景にミシリと胸が軋む。
「あ、ポルコ！」
俺の姿を見つけたAが、手を振りながら笑顔で駆け寄った。
俺が隊長に叱られている間、ライナーが一足先にAを幹部兵舎へ迎えに行ったようだ。
「ライナー…てめぇ…ッ」
「正々堂々…と言っただろう。遠慮はしない」
「…何の話？」
Aが俺とライナーの顔を交互に見て首を傾げる。
だが、この状況を説明する事も、ライナーを止める事も、俺には出来ねぇ。
恋人の立場にいる俺の方が何故か不利な立場だ。
「帰るぞ！」
「…う、うん…」
「ははっ…あぁ…帰ろう」
俺達、幼馴染み３人。
肩を並べて歩き出した。
*
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夢梨(プロフ) - sato711825さん» コメントありがとうございます！意外とポルコ推しさんがいてくれてほっとしています。場面が思いついたら更新していますので、お付き合いいただけると嬉しいです(*´∀`)♪ (2021年4月22日 16時) (
レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
sato711825(プロフ) - 続きが見たいでえええす！！！！ポルコ推しなので私得ですっ！ (2021年4月21日 1時) (レス) id: 2b67c28291 (このIDを非表示/違反報告)
夢梨(プロフ) - Ronnyさん» コメントありがとうございます！ライナー好きさんがいてくれて安堵しました(*´ω｀*)頭の中に浮かんでいる言葉や場面をまとめるのに時間がかかりますし、期待に応えられるか自信もありませんが、何とか読者様が没入できるお話を書きたいと思います(*^^*)♪ (2021年4月11日 15時) (レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
Ronny(プロフ) - あああああああどうなるんだ!!!!ポルコもライナーも好きだからつらいw次の更新も楽しみに待ってます! (2021年4月10日 23時) (レス) id: d499d51969 (このIDを非表示/違反報告)
mitsuyuu0907(プロフ) - 夢梨さん» お返事ありがとうございます。そうです。ポルコ落ちのお話を作っていただきたいです！本当にポルコの夢小説少なくてポルコ不足なんですよね_(´-`_ _)_よろしくお願いします！ (2021年4月5日 21時) (レス) id: a8ac705c71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢梨 | 作成日時：2021年1月16日 19時
