20 護るべきもの〈ﾎﾟﾙｺside〉 ページ18
「…あれは…ライナー…？」
レベリオ収容区の門に辿り着いた時、門前広場の薄明かりの街灯の下に浮かび上がる、見知った背中を見つけた。
噴水の縁に座るAは、俯いて泣いているようだった。
しかも胸元がはだけて…
「…なっ…ｸｿｯ…あいつ！」
Aに何しやがった！？
進む足が早くなった時、ライナーがひざまづき、Aを抱きしめた。
更に涙を流すAの両手がライナーの背中に回された瞬間、二人の顔が重なって…
ライナーにしがみつくようにAの両手が握りしめられた。
背後で立ちすくむ俺に気づくことなく、熱い抱擁とゆったりとした口づけを繰り返す二人に、怒りを含んだ嫉妬がふつふつと湧き上がった。
一歩一歩、近づき…
「オイ…何してる…？」
放った声は、自分でも驚くくらい低かった。
ゆっくり立ち上がったライナーが振り向いた途端、抑えきれない衝動が拳に込められ、殴り飛ばしていた。
分かっている。
こんなことをしても意味なんかねぇってことくらい。
どんなにAを愛しても、ライナーから遠ざけても、Aの心からライナーが消えないことも。
だが、止まらねぇ。許せないのは…
「今、何をしていた」
「ポルコ！止めて！」
倒れたライナーの胸ぐらを掴み上げ、静かに問いただす。
再び振り上げようと力を入れた腕に、Aがしがみついた。
…ｸｿｯ…
Aが好きなら、あの日あの時、そう素直に言えば良かったんだ。
それを、俺の居ないところでコソコソと…ッ
こうなった今、ライナーが自分の想いに蓋をして、俺達の結婚を祝福すると嘘をついた事が許せねぇ。
「A、お前は黙ってろ」
「…っ」
これは、俺とライナー。男同士の問題だ。
大体、Aのこの格好は何だ！？
ライナーがやったんじゃねぇだろうな！
「お前が見た通りだ」
「あ？」
「…俺が…嫌がるAを抱きしめて、無理矢理…キスをした」
胸ぐらを掴まれたまま、ライナーが口を開いた。
こいつ…ッ！
「てめぇ…ッ…確か、俺達を祝福するって言ってなかったか！？」
「だめ！」
怒りが頂点に達した俺の腕に必死でしがみつくA。
ライナーをこんなに必死で庇うってことは…
「ポルコ。俺が、無理矢理したんだ」
「……。」
「ライナー…？」
目を逸らすことなく真っ直ぐに見据えるライナーの瞳から、何か訴えてくるものがあった。
何かあるのか…？
「ｸｿｯ…」
にしても、抱きしめてキスは許せねぇ。
掴み上げていたライナーの胸ぐらを投げ捨てた。
*
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夢梨(プロフ) - sato711825さん» コメントありがとうございます！意外とポルコ推しさんがいてくれてほっとしています。場面が思いついたら更新していますので、お付き合いいただけると嬉しいです(*´∀`)♪ (2021年4月22日 16時) (
レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
sato711825(プロフ) - 続きが見たいでえええす！！！！ポルコ推しなので私得ですっ！ (2021年4月21日 1時) (レス) id: 2b67c28291 (このIDを非表示/違反報告)
夢梨(プロフ) - Ronnyさん» コメントありがとうございます！ライナー好きさんがいてくれて安堵しました(*´ω｀*)頭の中に浮かんでいる言葉や場面をまとめるのに時間がかかりますし、期待に応えられるか自信もありませんが、何とか読者様が没入できるお話を書きたいと思います(*^^*)♪ (2021年4月11日 15時) (レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
Ronny(プロフ) - あああああああどうなるんだ!!!!ポルコもライナーも好きだからつらいw次の更新も楽しみに待ってます! (2021年4月10日 23時) (レス) id: d499d51969 (このIDを非表示/違反報告)
mitsuyuu0907(プロフ) - 夢梨さん» お返事ありがとうございます。そうです。ポルコ落ちのお話を作っていただきたいです！本当にポルコの夢小説少なくてポルコ不足なんですよね_(´-`_ _)_よろしくお願いします！ (2021年4月5日 21時) (レス) id: a8ac705c71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢梨 | 作成日時：2021年1月16日 19時
