19 無力〈ﾎﾟﾙｺside〉 ページ17
「ガリアード！！」
隊長に名前を呼ばれた時にはもう岩壁に激突していた。
崖上からの攻撃に気を取られ過ぎていた結果、前方不注意でそびえ立つ岩壁に走る勢いのまま体当たりした。
攻撃と言っても、これは戦闘訓練。
顎を継承後すぐに始まった巨人の能力を使いこなす目的と、軍との連携を頭に叩き込む事を兼ねた訓練だ。
使用する銃は実弾ではないから、巨人化の状態であれば、当たっても全く問題はなかった。
ブシュウウゥゥ――…
「ガリアード！しっかりしろ！」
「ライナー…」
うなじから強制的に排出された俺は、朦朧とする意識の最中、ライナーにAを代わりに迎えに行ってくれと頼んだ。
ライナーが「ああ、分かった」と、力強く頷いたのを見届けて目蓋を閉じた。
巨人化状態の場合、本体の身体と巨人の身体は神経網で繋がるから、あの勢いでぶつかったら巨人化状態でも、さすがに中身の俺にまで脳震とうが伝染する。
目が覚めたのは、Aを迎えに行く時間から30分も過ぎていた。
「ああ…ｸｿｯ…情けねぇ…」
寝かされていた医務室のベッドから飛び下り、制服のコートを羽織った。
廊下を足早に進み、兵舎を後にする。
こんなことじゃ、戦果なんて上げられねぇ。
もっと訓練しねぇと…ッ
早くAを
Aの誕生日に入籍するはずが、難しい状況になり結局、結婚は延期になった。
せめて結婚していれば、戦争に行っている間、Aを安全な場所に…俺の家に置いていけるってのに。
Aは迎えに行くと毎日、満面の笑みを俺に向けるが、さすがにバカな俺にだって分かる。
Aはマーレ軍幹部に『奉仕』をしている。
母親の代で終わったと思っていた俺が甘かった。
マーレ軍幹部が年頃の娘を見逃すはずがない。
止めさせたいが、結婚が延期になった上に、エルディア復権派の嫌疑があるAの家にとって、それは簡単な事じゃない。
周りがどうこう出来る問題じゃねぇんだ。
『奉仕』を断れば、一発で楽園送り。
生きるか死ぬかの瀬戸際だ。
だから、苦渋の想いで俺は閉口している。
俺がでしゃばっても、Aの立場を更に悪くするだけで、その上ガリアード家にまで疑いの対象になる。
それでも…どうにかしねぇと。
好きな女ひとり守れなくて、島の悪魔から人類を救える訳がねぇ。
何か打開策は…
「あれは…ライナー…？」
前方広場の薄明かりの街灯の下に浮かび上がる、見知った背中を見つけた。
*
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夢梨(プロフ) - sato711825さん» コメントありがとうございます！意外とポルコ推しさんがいてくれてほっとしています。場面が思いついたら更新していますので、お付き合いいただけると嬉しいです(*´∀`)♪ (2021年4月22日 16時) (
レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
sato711825(プロフ) - 続きが見たいでえええす！！！！ポルコ推しなので私得ですっ！ (2021年4月21日 1時) (レス) id: 2b67c28291 (このIDを非表示/違反報告)
夢梨(プロフ) - Ronnyさん» コメントありがとうございます！ライナー好きさんがいてくれて安堵しました(*´ω｀*)頭の中に浮かんでいる言葉や場面をまとめるのに時間がかかりますし、期待に応えられるか自信もありませんが、何とか読者様が没入できるお話を書きたいと思います(*^^*)♪ (2021年4月11日 15時) (レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
Ronny(プロフ) - あああああああどうなるんだ!!!!ポルコもライナーも好きだからつらいw次の更新も楽しみに待ってます! (2021年4月10日 23時) (レス) id: d499d51969 (このIDを非表示/違反報告)
mitsuyuu0907(プロフ) - 夢梨さん» お返事ありがとうございます。そうです。ポルコ落ちのお話を作っていただきたいです！本当にポルコの夢小説少なくてポルコ不足なんですよね_(´-`_ _)_よろしくお願いします！ (2021年4月5日 21時) (レス) id: a8ac705c71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢梨 | 作成日時：2021年1月16日 19時
