2 蘇る想い ページ2
「お願い！！」
「ダメだ。俺はあいつを許せる気がしねぇ…ッ…あいつの…ライナーのせいで兄貴は…ッ…ｸｿｯ」
机に向かう背中が微かに震え、ペンを持っていない左手がきつく握りしめられた。
ポルコの自宅の彼の部屋で、私はライナーに逢いに行きたいと必死にお願いをしていた。
ライナーが始祖奪還作戦に出立してから５年。
13歳だった私はもう17歳で、来月には18歳の成人になる。
一年前、ライナー達の任務は失敗し、もう戻ってこないという情報が、ここレベリオ収容区に広がった。
それは真実として住民に浸透し、日々泣き濡れる私の傍には、いつもポルコが居てくれた。
ライナーとポルコと私は同級生で、二人が戦士候補生になるまでは、毎日暗くなるまで一緒に過ごしていた。
いわゆる『幼なじみ』。
けれど…一年前。
作戦失敗の訃報を信じた私は、ポルコからの告白を受けて恋人として付き合い始めた。
ポルコの事は好き。恋人としての行為も嫌じゃない。
でも、ライナーが生きて帰ってくると聞いた今は…
「ポルコ、お願い。ライナーに逢いたいの」
「お前をあいつに渡すつもりはない」
「それは…ッ」
ポルコを裏切らないという約束はできない。
だって私は…
ライナーが凄く好きだった。
彼の帰りをずっと待っていた。
それは今でも…
「だから出迎えには行かせねぇ」
「ひゃっ」
机に向かって教本を手に知識を深めていたポルコが、不意に立ち上がって私の腕を引き…
次の瞬間にはベッドへと組み敷かれていて、眉根を寄せたポルコの真剣な表情が影を落とし、私を見下ろしていた。
両手首をベッドに縫い止められて、身体も体重をかけられている。
「ポルコ…？」
「お前は俺のものだ」
性急な熱い口づけが、私の意志を弱らせる。
この一年間、私はポルコにとても愛されてきた。
乱暴な物言いでも、根底には優しさが敷き詰められていて、抱きしめられる温もりに幸せを感じていた。
こうして素肌を重ねて深くまで繋がる時間も、至福のときだった。
ライナーを喪ったという現実の下では…――
「悪い、A。昨日は少し取り乱した」
朝目覚めると、既に起きていたポルコがバツが悪そうに謝罪の言葉を呟いた。
シャツを軽く羽織っただけの状態でベッドの端に座り、私の頬に手を伸ばす。
「私こそ…ごめん。ワガママ言って…」
私はポルコの恋人なんだから、今更…昔好きだった人に逢いたいなんて…言うべきじゃなかった。
「許可は下りないと思うが、申請…出してみろよ」
「え…」
酷く優しい微笑みが、再び私の唇を甘やかした。
*
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夢梨(プロフ) - sato711825さん» コメントありがとうございます！意外とポルコ推しさんがいてくれてほっとしています。場面が思いついたら更新していますので、お付き合いいただけると嬉しいです(*´∀`)♪ (2021年4月22日 16時) (
レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
sato711825(プロフ) - 続きが見たいでえええす！！！！ポルコ推しなので私得ですっ！ (2021年4月21日 1時) (レス) id: 2b67c28291 (このIDを非表示/違反報告)
夢梨(プロフ) - Ronnyさん» コメントありがとうございます！ライナー好きさんがいてくれて安堵しました(*´ω｀*)頭の中に浮かんでいる言葉や場面をまとめるのに時間がかかりますし、期待に応えられるか自信もありませんが、何とか読者様が没入できるお話を書きたいと思います(*^^*)♪ (2021年4月11日 15時) (レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
Ronny(プロフ) - あああああああどうなるんだ!!!!ポルコもライナーも好きだからつらいw次の更新も楽しみに待ってます! (2021年4月10日 23時) (レス) id: d499d51969 (このIDを非表示/違反報告)
mitsuyuu0907(プロフ) - 夢梨さん» お返事ありがとうございます。そうです。ポルコ落ちのお話を作っていただきたいです！本当にポルコの夢小説少なくてポルコ不足なんですよね_(´-`_ _)_よろしくお願いします！ (2021年4月5日 21時) (レス) id: a8ac705c71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢梨 | 作成日時：2021年1月16日 19時
