Logic35 ページ35
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白い並びのいい歯を見せて笑った涼介くんは、既に楽しそうだった。
模試の結果なんて、そんな早くわかるものだっけ。
なんて思ったけど、涼介くんのことだから自己採点でもしたんだろう。
A「...言った。」
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一瞬目を丸くして私を見た涼介くんはすぐに笑って境内の中へ入っていく。
涼介「なんも食ってきてないよね?なにがいい?」
お馴染みの屋台がずらりと並ぶ道にお祭りだと実感させられる。
空いていたたこ焼きの屋台に並んだら不意にお腹が空いてきた。
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涼介「ねえ。」
A「ん?」
涼介「なんで浴衣じゃないの。」
不服そうに涼介くんは私の服を見てそう言う。
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そんないきなり連れ出しといて浴衣なんて着る暇もなかったじゃない。
それに今日が夏祭りだということも忘れていたし。
A「...本当に行くと思ってなかったから。」
涼介くんが怒ってるじゃないかな、って、そんな状態でうかうか夏祭りなんか行ってる場合でもないかなって思ったりもしたし。
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屋台のおじさんにもらったたこ焼きをふたりでつついた。
あちらこちらで売られているりんご飴に気が取られてるのがバレて、欲しいの?、と聞かれた。
別に要らないよ、と答えたのに、俺が食べたいから、とりんご飴を買ってきて。
やっぱり気分じゃないから、なんて私に押し付けた。
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人が多くて置いて行かれそうになるのを、涼介くんはすぐに気づいてくれて、逸れないでね、って笑った。
うん、って頷いた声が聞こえたのかはわからないけど、握る手は強くなった。
暑いのはこの活気のせいか、夏のせいか。
...それとも。
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ーーーードンッ...
一発目の花火は大きくて綺麗だった。
皆が立ち止まり、空を見上げて歓声を上げる。
数発、花火を見て、混まないうちに帰ることになった。
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境内から家までの道は帰っている人は全然いなくて。
花火の音だけが響く。
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ゆき(プロフ) - あすみs、アドバイスありがとうございます!とっても参考になりました!これからもあすみさんの作品を読んでみたいなって思います!ほんっとにありがとうございました! (2018年9月5日 18時) (レス) id: 5d9e2a3ec1 (このIDを非表示/違反報告)
あすみ(プロフ) - やまちさん» 最後まで読んでくださりありがとうございます! そうなんですね、、年の差って割とネックですよね、、、またどこかでこのふたりを書けたらいいなって思います。 (2018年9月5日 9時) (レス) id: 9eb015a482 (このIDを非表示/違反報告)
やまち(プロフ) - 完結お疲れ様でした!実際私も年齢差の恋に悩んだ時期があったので読んでてどこか懐かしさを感じました。気が向いたらでいいので続編書いて頂けたら嬉しいです。 (2018年9月5日 2時) (レス) id: 59c6021a01 (このIDを非表示/違反報告)
あすみ(プロフ) - ゆきさん» ありがとうございます!! 書き手さんなんですね! 私も全然上手く書けないんですけど、気をつけてることは会話文ばかりにならないようにしたり、情景描写をなるべく入れるようにしたり、基本的な事としては誤字脱字を気をつけてます。 頑張ってくださいね! (2018年9月4日 22時) (レス) id: 9eb015a482 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 初めまして!あすみsの小説を読むのは、これが初めてです!とっても面白いです!!私も小説を書いているんですけど、なかなか上手く書けなくて・・・上手く書くコツとかがあれば教えて欲しいです! (2018年8月10日 14時) (レス) id: 5d9e2a3ec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あすみ | 作者ホームページ:https://twitter.com/?lang=ja
作成日時:2018年6月4日 20時