I can't let you go.【Jeonghan】

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「ジョンハナ、今日はどうするの？」

「泊まりだって、今まで誰も家に入れた事ないくせに」



ジスは壁にもたれかかりながら僕に聞く

Aの入学式から一年間、毎日僕たちはAを見ていて知っている。

誰も家に人を入れたことのないAが
今日、友達のあの女を家に泊めるらしい。


「知ってる、やだね」

「嫌すぎるよ」


ジスもどこからかAが友達の女を家に泊めることを知っていたらしい。
笑いながら嫌だと言うけど、

僕にとってそれは凄く嫌だった。


だって、僕らが見ることの出来ない家の中で
Aはその女と何をしているのかわからないから。

僕だけがAの近くにいればそれでいいのに



今日はどうするの？って言うのは
もう帰るか、泊まりだからもう少し見とくか、ってことだろう


だけど、そんなの決まってるじゃん


「ジョンハニ、嫉妬してる？」

楽しそうに笑うジスは無視して
僕は携帯の待受を見る



どんな角度も美しい君が
他の人と楽しそうにしているのは見たくない

僕の携帯の中で笑う君は
この世界でひとつだけ

こんな僕にも綺麗と言う言葉を教えてくれた

ただ一つの存在。



「今日は夜までここにいるつもりだよ」

「だと思った。」



そうして
5、6時間ほど立った時


「ねぇ、そろそろ帰る？」

「うん、もう出てこないね」


ジスがそう言うから
時計を見ると23時近くて

明日も学校だし、流石にAは家から出てこないと思った。


「コンビニ行って帰ろうよ」

「いいよ」



そう言って僕らはAの家から一番近いコンビニに向かう。

その間も僕はずっとモヤモヤしてて
Aの事が気になって仕方なかった




「ジョンハナ、あれ」


「え？」


コンビニから出て家に帰ろうとした時
ジスがそう言って、視線を向ける先


僕らがいたコンビニに入っていく



「Aの友達じゃない？」



僕の嫌いなあの女。

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