キャットフード【SVT ALL】

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扉が開いてすぐに、聞いたことのない声が耳に入る。男の人だ...でもパパ達ではない。

それじゃあ、誰？




怖くて体に力が入ると、体が痛くて顔が引きつった。


？「…どっどうしよう」

扉をあけて、そんな…と呟いた人はパタパタと足音を立てて私に近づいて来たみたいだ。


その後すぐ、困ったようにそう言うと私の肩に優しく手を置いた。



？「あぁ、本当に...っ、ごめんねっ起き上がれる？」


私を起き上がらせようとしているのだろうか
その手に驚いた私はビクッとしてしまうけど

声を出すことはできなかった。


？「いつから地面にいたの？痛かったよね、ごめんね」

「…」



？「ベッド高かった…落ちるかもって考えてなかった。ほんとにごめん」


…ベッド？
この人はなにを話しているのだろうか。



人に謝られたことが一度もない私は
なんて返せばいいのかわからなかった。

どうしてこの人は謝っているのだろうか


私に、悪いことをしたのだろうか









？「痛いかもしれないけど我慢してね」


そう言う男の人に抱きかかえられて体がすごく痛かったけど
その瞬間ふわふわとした感触が背中を包んだ
まるで体が埋まってしまいそうなくらい、柔らかい。


きっとこれは私が地面に落ちる前に眠っていた所
私が目を覚ました時に、いた所だ。


？「次は、落ちないように僕がずっとそばにいるからね。怖い思いさせてごめん。もうさせないから」



その人は私が返事をしなくても、ずっと私に話しかけていて、ずっと謝り続けていた。

塞がれた視界の中、分かることは
この人が男の人で、パパ達とはちがう人。だと言うこと

ふわふわの上はとても気持ちが良くて
眠たくなってしまった

ああ、地面じゃないところで眠ってしまったら
パパ達に怒られてしまうのに...

ここで眠りたいと思ってしまった私は、悪い子だ



「…」


？「僕は、君の味方。怖がらないで、僕を信じて」









…？









睡魔に負けて薄れてく意識の中

この人の声は痛い程、優しかった。

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