いのありのベイビーチョコラータ

ウル目の大ちゃん ページ8

「いってぇな〜も・・もうっなんで布団たたきでぶつんだよっもうっ」


「それを言うなら何で制服のまま入ってんのよっもうっばか息子っごはんだよっほらっ伊野尾君も・・あ〜もうズボン皺皺になっちゃって〜もう大貴のちっちゃい服に着替えなさいね」


「小っちゃいは余計だかんなっ」


小っちゃいに反応して大ちゃんが抗議する


「あ・・大ちゃんの洋服は幅があるからそんな小さくないです」



良かれと思って僕が言うと大ちゃんはさらに唇とがらせて



「幅あるからって俺がデブみたいに言い方すんなっ」


「立派なデブだよあんたはっホント最近とーちゃんそっくりな腹になっちゃってどーすんのそれっ高1で中年太りってあんたますますモテないわよっ」


「もっ・・・もてるわっうっせーわっ!お・・俺だって月曜にチョコいっぱい貰ってくるからなっ見とけよっ」

大ちゃんが大口叩いたら、おばさんはピタッと手を止めて目を細めた


「へぇ〜伊野尾君聞いた?あんた証人だよ?そこまでいうなら月曜日にチョコ一個もなかったら一か月お小遣いなしでいいねっ」


「おうっその代わり俺がチョコもらったら小遣い倍だかんなっ」


「はいはい、義理チョコはカウントなしだからねっ」


「ったりめーだよっ俺はマジチョコしかもらわねーからっおぼえとけっ!」


丁々発止の親子喧嘩は聞いてるとちょっとハラハラするくらい激しいけど、結局仲のいい大ちゃん親子は一瞬でケロリとして、


「ねぇかーちゃん夕飯何?」って階段下りながら普通に話してるんだよ(笑)


はぁ・・なんかスピード感がすごいよ



「あ、そうそう伊野尾君、あきちゃん今日お友達のお家で夕ご飯いただいてお泊りするからって」


「あ・・そうなんですか・・」



キッチンに戻ってすぐに料理に取り掛かるおばさんがエプロンのポッケをごそごそしなががら話し出す


「さっきお着換えだけ取りに帰ってきたっていってさ、それからわざわざ見てよこれ・・ふふ、お手紙置いてってさぁ・・女の子ってほんと可愛いねぇ・・ええっとなになに・・ありママへ、兄と私がいつもお世話になってすみません、あきもおばさんが大好きですってかいてる・・ぐす・・」


「もうなに泣いてんだよっばっかじゃねーの?」


大ちゃんだって茶化してるくせに涙ウルウルしてるし・・も・・ほんとこの一家優しいんだよマジで


「や・・あの・・・ほんといつもほんとお世話になって僕も感謝してます」

優しい目をしてる→←モテたいんだもんっ

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