いのありのベイビーチョコラータ

モテたいんだもんっ ページ7

「ほらっはやくはやく!」


秘密基地に誘うみたいな君のいたずらな瞳につられてそろそろと布団に入ると


「あ〜どきどきする・・・はぁ・・・俺さ・・」


「ん?」


「マジでがちでこういうの見るの今日初めてなんだよな」


「え?そうなの?」


「そうなの?って・・いのちゃん見たことあんの?」


「や・・あの・・・先輩から回ってきてちょろっとだけ・・・」


「先輩?卓球部の?は?誰?」



「や・・まぁ・・それは・・」



「あっ・・あいば先輩じゃね?うっわずっる」


「ずるいって別になんで・・」



「ずるいしっ・・俺にそんな話しちっともしてくれなかったし・・なんだよいのちゃんだけとっくに大人じゃん・・なんだよ・・一緒だと思ったのにさぁ・・」


ぶちぶち文句を言うのが可愛くて、思わず大ちゃんの頭ごとがしって抱え込んで


「もう〜・・うそうそ、ちょっとパッケージだけ見せてもらっただけだよ〜僕そんな興味なかったし・・だからがっつり見るのは今日が初めてだよ」


僕も初めてだよっといったのが嬉しかったのか、大ちゃんは僕のホールドから頭を抜いて満面の笑顔で

「ほんとに?へへ・・じゃあしっかり仮眠して夜に備えようぜっ・・おやすみっ」


鼻の下くしゅくしゅって指でこすってニカって笑って、それから僕の胸にピタっておでこつけてこてんと寝ちゃった・・はやっ・・・え?・・・赤ちゃんだよ(笑)





あ〜・・・・僕この拷問に耐えられるかなぁ〜・・・

くーくーと寝息立てながら大ちゃんのくりくりした亜麻色の髪を人差し指で遊ばせる


高校入ったと思ったらいきなり茶髪なんかにしちゃってさぁ〜パーマなんかかけちゃってさぁ〜・・

「だって俺モテたいんだもんっ」ってこともなげに言い放ってさ・・


前髪で隠れているときにはわかんない男っぽい眉毛と、少しだけ開いて歯が見えてるぽってりした赤い唇・・・


「この唇・・好きなんだよなぁ・・・」


親指でそっと唇をなでるように滑らせると


「んん・・・ちゃ・・・ん・・うまい棒・・」


あはっ・・もうっ(笑)夢でも買い食いしてるよ・・はは・・ほんと大ちゃんは子供のころからちっとも変わんないなぁ・・・ん・・あふ・・・ン・・布団の中温かいから・・なんか僕も眠くなってきた・・ん・・・





・・・・・・




「らッ・・・・こらっ・・も・・・あんたたち服のまんま布団はいっちゃいけないっていってんのにっ伊野尾君までっこらっ」


布団の上からバシバシ叩く音がして僕も目が覚める

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