いのありのベイビーチョコラータ

ギョーザ風味の・・終 ページ48

「スーパーのじゃなくてわざわざ肉よしのウィンナーだからさ・・こりゃ絶対に俺の事をよく知ってる子がくれたんだろうなって思ったし・・・多分・・いのちゃんだと思ったよ」


うっわぁ・・ばれてたんだ


「大ちゃ・・・あの・・・・はは・・ちょっといたずらしちゃった・・ごめん」





「・・・・いたずらじゃねーだろ?」




「え?」



立ち止まって僕を見る大ちゃんの顔があまりにもかっこよくてドクンって心臓が止まりそうで顔が真っ赤になってくの自分でもわかる




「・・・・・わざわざ俺のために手作りで作ってくれたんだろ?」




「あ・・と・・・え・・・と・・」



だめだ・・・てきとーな言葉がでない・・





「カードまで書いてくれてさ・・・いのちゃん・・・おれさ・・・」





ちょっと待ってまさかの大ちゃんから告白とかされたら僕即死するけど・・・こ・・心の準備度か全然無理なんだけどっ





「俺・・・いのちゃんの気持ち・・・わかってるよ・・」





大ちゃんの顔が・・近づいてくる・・・ええええええっう・・うっ・・・嘘っ・・キ・・キス?・・・キスなの?・・・僕今日のお昼ごはんラーメンギョーザセット食べたのにっなんで?ファーストキスがギョーザ風味なんて最悪だよっ



すう・・って大ちゃんの顔が近づいて、それからふぁさって僕の耳の横の髪かきあげて・・



「母ちゃんにはマジチョコってことにしていのちゃんにはなんかおごってやるよ」って囁いた


「は・・・・はい?」


え?と僕・・・また思考停止してますけど・・?




「もう〜いのちゃんたすかったわ〜!母ちゃんにカードとこれ見せてさ、マジチョコだかんなって言ったら俺来月小遣い倍だわ」



大ちゃん小躍りするくらい喜んでますけど・・


「いのちゃんのおかげだからさ、マジありがとな・・さすがだよほんと・・わざわざ肉よしのウインナーまで買ってくれてさぁ・・これなら母ちゃんも納得するよ〜マジサンキュっ」


「は・・はぁ・・まぁ・・うん・・」



「よーーーーっし、家まで競争して負けたほうが肉まんおごることっいくぜっよーいどんっ」



いきなり駆け出す大ちゃん・・ははっ・・・そっか・・もうっ!キスなんて期待した僕がバカだよあの五歳児めっ(笑)




「まてぇ〜」




僕も思いっきり駆け出す




オレンジ色の夕日の中に溶けそうな大ちゃん目指して



「ベイビーチョコラータ」終わり

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