いのありのベイビーチョコラータ

叱られてる? ページ32

「えっ嘘っ泣いてる?あ・・・うそうそ、ごめんっ嘘だよ」




「ひっく・・・ん・・・俺・・そんなこといわねーしっ」



「うんうん言わない言わない、ごめんごめん、だって大ちゃん僕の事ほったらかして一人でくーくーねちゃったからさ、つい意地悪言って・・ごめん」




「ん・・・ぐす・・・」



「ごめんね、嘘だよ、あーんなえっろいDVD見ないで大ちゃんはくーくー寝てたよ、さ、早くお兄さんのとこに返さないと勝手に持ち出したのばれたらぶっ飛ばれるよ」



「あ・・そ・・そうだ・・ン・・イ・・イヤホンもかえさねーと・・」



「はい、ここにあるよ」



「ん・・」



泣いて鼻真っ赤になった大ちゃんがのそのそとお兄さんの部屋にDVD返しに行った



(ほんとに覚えてないのかなぁ・・あの顔じゃあちょっと位覚えてると思うんだけどなぁ・・)



「カチャ」



「あ、だいちゃ・・」



ドアが開く音がして、大ちゃんかと思って振り向いたら、そこにいたのは大崎さんだった



「あ・・・お・・・おはようございます」



「おはよう・・いいかな?」



「あ・・はい・・」



「あーちゃん今トイレに行ったよ」



「あ・・そうですか・・夕べ間違えておじさんのお酒飲んじゃって・・はは」



入って来たけど別に話すことなんてないけど僕・・



「今あーちゃん泣いてように見えたんだけど」



「あ・・や、・・あの・・ちょっとからかっちゃっただけです・・・」



まるで叱られてる子供みたいな気分になるよ



「伊野尾君、ゆうべさ・・」



「は・・はいっ」




「・・・あーちゃんになんかした?」



え?と思って大崎さんの顔を見たらすごく真剣で・・・怒ってるような顔に見えた



「な・・・なんかって・・なんですか?」



緊張して喉がカラカラで声がかすれる



「・・・・・本人が望んでいないこと・・もしくは本人が許可していないことをしていない?」



「おっしゃってる意味が・・分かりません・・」



「つまり」




大ちゃんの椅子に座っていた大崎さんがベッドに座っている僕のところまでずいっと来て



「酔っぱらってるあーちゃんになにかエッチなことしてないかって聞いてるんだけど」



弾かれたように顔上げて、返事もできない僕に大崎さんは



「もしも・・・・・あーちゃんがそれで心に傷を負ったとしたならば・・伊野尾君・・僕は君を絶対に許さないよ」



「あ・・・え・・と・・」

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