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143. 黒い影 [Side You] ページ43
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最初は、
「もう〜、謝ることなんか全然ないのに〜。翔くんったら、本当に真面目だな。」
って思いながら、翔くんの話を聞いていたんだけど、
「もっと言うと、今まで、そういう反応をされたことで、嫌な思いしたり、傷付いたことが、少なからずあったんじゃないかな、って。」
そう言われたときに、
これまで、気味悪そうに私の元を離れていった友達や同僚、
そして、なによりもあの人の顔なんかが順々に浮かんできて、
「そんな反応にももう慣れた」
なんて言いながら、実はまだ心の中で黒い影として残っている感情に気がついた。
それと同時に、翔くんは、そんな私が心の奥にしまいこんでいた感情に気付き、
それを気にしてくれていたんだ、と思ったら、突然涙が溢れてきた。
そんな私を見て、翔くんはそれはもうびっくりした顔をして(笑)、
大きな目を、さらに大きくして、慌ててこう言った。
「わわわ！Aちゃん！？
俺、なんかひどいこと言っちゃった？ごめん！
っていうか、そうだよな？俺が嫌な思いさせたよな！？」
そして、
「ハンカチ、ハンカチ！」
って、ジーンズやカーディガンのポケットを探していたけれど、
ふとその手を止めて、動きを止めたかと思うと、
「ごめん！ハンカチないから、これで我慢して！！」
そう言って、私を優しく抱きしめた。
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144. これで我慢して [Side S]→←142. MAX焦った
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作者名：ゆん*
| 作成日時：2013年11月10日 19時
