140. なんでしょう？ ページ40
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電気ケトルがカチッって鳴って、お湯が沸いたことを知らせると、
バーカウンターのほうから、
「翔くん、ちょっとこっちに来て〜♪」
って呼ぶ声がしたから、声のするほうに行ってみると、
カウンターに並んだすげー数のハーブティーの前で、ニコニコしながら、
「どれがいい？」
って聞いた。
「うぉっ！なにこれ！すげぇ！」
って、俺が興奮気味に声を上げたら、
「ね、すごいよね！(笑)
このハーブティ、毎年担当者の方が準備してくれるんだけど、
毎回レベルアップしてるって言うか･･･
今日、これ見て私が驚いてたら、'最近、はまってるんです'って(笑)」
「確かにすごい種類だな。っていうか、Aちゃん、こんなに飲めんの？(苦笑)」
「だからー。私だけじゃないの(笑)研修に参加してる子たちも飲むんだってば(笑)」
「あぁ、そっか、そっか。んじゃ〜、俺はどれにしよっかな〜。つっても、全然わかんねーから、おまかせしていい？」
「もちろん、もちろん。そうしたら･･･」
そういって、少しの間、目を閉じて、
「翔くんは、これ！ブラックチェリーベリー！さくらんぼつながりだね〜♪」
って。
なんだよ。
ホントに全然普通なんだけど(苦笑)
こうなってくると、謝ることで、むしろ、墓穴掘るんじゃねぇの？って気がしてきたんだけど(苦笑)
あ〜。どーすっかなー。
そんなことを考えてたら、
「あれ？気に入らなかった？？」
って、急に顔を覗き込まれて、すげー近くにAちゃんの顔があったから、
「気に入った！気に入った！さくらんぼ！」
ってごまかして、
「飲もう、飲もう！」
って明るく言った。そしたら、
「じゃぁ私も同じのにしよう〜♪」
って言って、ポットにお湯を注いだら、これまたキレイな赤い色だったから、
「あ、また俺のカラーだな」
なんて思いながら、カップを持って、ソファに戻った。
二人でソファに座って、ハーブティーで乾杯して(笑)、
今日のライブはどうだった、とか、明日は何時起きだとか、
とりあえず当たり障りのないことを話していたんだけど、
やっぱり俺がもやもやするわ、と思って、例の話を切り出した。
.
「あのさ、Aちゃん。俺、Aちゃんに話があるんだけど。」
俺がそう改まって言うと、Aちゃんは、カップを置いて、俺のほうに体を向けて、
「なんでしょう？」
って、かわいく首をかしげた。
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作者名：ゆん*
| 作成日時：2013年11月10日 19時
