【Sho.S】僕だけの天使第3章 (ページ3)

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103. タクシー代ページ3

それから20分くらいして、Aちゃんから着信があったので、

ニノと一緒にマンションの下まで降りていくと、

困った顔をしたAちゃんが、

Aちゃんの膝を占領している智くんの頭をなでていた。

その姿に、ちょっと胸が痛んだけど、

「はいはい、翔さん。やきもちは後にしてー。大野さん引っ張り出すの手伝ってー。」

って言うから、

「マジ寝だよ、この人。」

ってニノが驚くほどぐっすり眠っている智くんを引っ張り出して、

一緒に部屋まで運ぶつもりだったんだけど、

「はーい、翔さんは、Aちゃんを送って行ってくださーい。」

って言って、俺に、タクシーに乗り込むよう促した。

「ニノ、一人で大丈夫？」

と聞く俺に、

「重いのは引き受けるんで、タクシー代は翔ちゃんよろしくー！」

って、ウインクして、智くんを抱えてエントランスに消えていった。

「タクシー代、すげぇことになってるんだけど(苦笑)」

そういいながら、Aちゃんの隣に乗り込んで、車を出してもらった。