トリップしたからって美人補正がついてるとは限らない2 (ページ20)

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トリップ64日目ページ20

～Aside～

太宰さんはこうなると判っていた癖に、″何だやめるの？″と残念そうに嘲り笑った

そして中原中也は何かに気付き、″真逆……″と声を漏らす

中也「ってことは…二番目の目的は、俺に今の最悪な選択をさせること？」

自意識過剰な。悪戯のためだけにこんな命がけな事するわけない。と思っていたのに

太宰「そ」

あっさり認めた。そうなのかよ！！！命知らずだなぁ！私みたいに一回死んでみた方が、この人は人間らしさを手に入れるんじゃないか！？

嫌がらせをしに来たと言っていた中原中也は、逆に嫌がらせをされる羽目となった

太宰「久しぶりの再会なんだ。このくらいの仕込み(サプライズ)は当然だよ」

爽やかな笑みでそう告げる太宰さんは、まるで悪魔のようだった

この人……中原中也の事相当嫌ってるんだなぁ

中原中也は呆れと落ち込みから、手と膝を付き、″死なす…″と物騒な事を呟きながらがっくり項垂れている

太宰「おっと倒れる前にもうひと仕事だ。君が云うことを聞くなら、Aちゃんが助けに来た風に偽装してもいい」

中原中也は疑い気味に立ち上がる

中也「……それを信じろってのか」

太宰「私はこういう取引では嘘をつかない」

″知ってると思うけど″と、微笑んだ太宰さんに更なる怒りを灯した中原中也は、がくりとしゃがみこんでしまった

この人、肉体喧嘩は強くても口喧嘩は弱い人だなぁ……小学校の男子に一人はいる奴←

中也「人虎がどうとかの話なら芥川が仕切ってた。奴は二階の通信保管所に記録を残してる筈だ」

バッと外套を翻し、出口へ悠長に歩いていく

芥川……記録とかするんだ……

「僕に記録など必要ない。殺したという事実は、敵の首を掻ききって持ってくれば済む話だ」とか言ってそうなイメージあったんだけどなぁ……←

まぁ今回は任務達成出来なかった感じがするから、そんな事言えないだろうけど

中原中也は舌打ちをして、″用を済まして消えろ″と捨て台詞を吐いた

太宰「どうも。でもひとつ訂正。今の私は美女と心中が夢なので君に蹴り殺されても毛ほども嬉しくない。悪いね」

太宰さんは人差し指でこめかみを指し、口を上にきゅっと寄せ、挑発的に笑った

中原中也は微塵の興味もなさそうに、″あ、そう…″と言い、自殺志望の美人を探してやると言った

その後太宰さんのキラキラした顔に、早く死ねって意味だと罵倒を吹っ掛けた

何だツンデレか、と思ってしまったのは秘密だ