けいちゃんの次に 元気な動物 ページ41
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ごめんなさい。ちょっと切なくなってます。
ym side
「はぁ…」
今日 何度目か(いや、何十回目。いや、何百回目。いや、何千回目かもしれない)の ため息をつく俺。
ふと 顔をあげれば
ひゅう、と 冷たい北風が吹き、
「……帰るか」
俺は ゆっくりと立ちあがった。
「けいちゃん…」
ゆうりさんと会った日から、７日。
「こうたのことは、私に まかせて」という ゆうりさんの言葉を こころの頼りに
けいちゃんを待ち続けていたけれど、
「さびしいよぉ…」
そろそろ、限界だ。
俺の巣に残っていた けいちゃんの においは すっかり消えてしまい、
この身体で感じたはずの けいちゃんの感触や、ぬくもりさえも なにひとつ残っていない。
唯一、記憶の中にある けいちゃんの笑顔と かわいらしい声を
ただひたすら 頭の中に思い浮かべることで、なんとか自分を保っている。
たまに「思い出だけじゃ、つらすぎる」と、泣いてしまうこともあるけれど。
「……朝か」
結局、一睡することも出来ず、
重い身体を引きずり いつものように 待ち合わせの場所に向かうと、
「、」
けいちゃんぐらいの大きさの 茶色いうさぎが、木の下に ちょこんと座っていた。
「……おはよう」
「！」
俺の声かけに ぴく、と 身体を震わせた 茶色いうさぎ。
顔をあげ 俺と瞳があうと
「ぁ、」
少し怯えたように 瞳を見開き、
「りょうすけ、さん…？」
くちびるを震わせながら つぶやいた。
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作者名：本田
| 作成日時：2019年10月13日 21時
