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『はいぃ…♡』
「いいお返事♡ほら、くり拾いに行こうね♡」
そう ささやき
ひょい、と けいちゃんを抱きあげれば、
『ぴゃん♡』
あまくて かわいい声をあげた けいちゃん。
「(なんっっだ、今の かわいすぎる"ぴゃん♡"は！けしからん！！)
…ん？けいちゃん、どうしたの？」
『ぴぃー…』
ばたばた、あばれるように 足をバタつかせると
『だっこされると、きのうの ちゅう♡思い出しちゃうから、はずかしくってぇ…っ』
今にも消えてしまいそうな声で つぶやき、
もふっ♡
(かわいい)お顔を隠すように、俺の胸にお顔を うずめた。
「――っ」
一 体 何 が 起 き て い る の だ ろ う 。
もしかして、けいちゃんが自分で歩くって言ったのは、俺に抱っこされると 昨日の ちゅう♡を思い出して はずかしくなるからだったのか？
はずかしくなって、お顔がニンジンみたいに真っ赤になって、あわあわ♡、ばたばた♡、ぴいぴい♡しちゃうから？
にやにや♡くすくす♡はぁはぁ♡しちゃうから！？
「―――、」
よし。巣に連れて帰ろう。
ひとり うなずき、巣の方へと くるり、向き直った その時、
ぼこっ
「いてっ！！！」
トゲにつつまれた くりが、上から降ってきた(うわぁぁぁ！！！けいちゃんの お父さんとお母さんが お怒りになってるんだぁぁぁぁ！！！)。
『ほぁ！？りょうすけさぁん…？』
俺の大声に びくっ、と身体を跳ねあげ
不思議そうにお顔をあげた けいちゃんは、
いまだに ほんのりと ほっぺたを赤く染めていたが、
「いてて、くりが…」
『くりっ！？』
"くり"というフレーズに 瞳をきらきら♡かがやかせると
辺りを きょろきょろ見わたし、
『あっ！くり、みつけたぁ！』
さっきの あまぁい♡雰囲気なんて なんのその。
『りょうすけさんっ、おろしてくださいっ。くり、ひろいに行きたいっ！』
俺の腕から するり、すり抜け、
『くり〜♡♡』
元気いっぱいに 駆けていった。
「……」
『くり♡くり♡わぁ！おっきい〜♡♡』
ぴいぴい♡ぴいぴい♡
「……そうか」
食べ頃は、くりの方だったか…。
fin
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作者名：本田
| 作成日時：2019年10月13日 21時
