いのせんとわーるど(ym×in) (ページ12)

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『ひゃんっ♡りょうすけしゃん、お耳、なめちゃだめぇ…っ』

「("りょうすけしゃん"だって！！聞いた！？今日はこの言葉をオカズに(ん？オカズって何だ？)、いや、この言葉を胸に眠ろう…)

ふふ。ごめんね、けいちゃん。けいちゃん、いっしょうけんめい毛づくろいしてたから、手伝ってあげようかと思って♡」

『ふぇぇ…、おめかししてるところ、見られちゃったぁ…。はずかしぃ…』

「―――っ！！(今日はお散歩やめて、俺の巣に持ち帰ろう。そうしよう)」

ひょい、

本能の赴くまま

けいちゃんを抱きかかえ、巣へと歩き出す俺。

けいちゃんに逃げられないように、そして他の動物に盗られないように

しっっっかりと抱きしめ、

触りたくて触りたくてしかたない、けいちゃんのもふもふ♡の身体にすりすり♡頬ずりし

はぁはぁ♡していると、

『ほぇ…？りょうすけさぁん？どこ行くのぉ？』

けいちゃんの不思議そうな声。

「――はっ！」

その声に俺は我に返り、

あわてて、けいちゃんを地面におろした。

「ご、ごめんね！けいちゃん、足きれいにしてたから、お散歩して足が汚れるのいやかなぁって思って！！(ばか！ばか！ばか！！俺のばか！！お持ち帰りはまだ先！！「だいすき」って告白して、手つないで、ほっぺたすりすり♡して、ぎゅうして、ちゅうして、ご両親にあいさつして、番になってから！！)」

俺の(ろくでもない)言い訳に、きょとん、と瞳を丸くするけいちゃん。

『……』

しばらくぼんやりと俺を見あげていたが、

ちら、ちら、と自分の前足を確認し

『そっかぁ…』とつぶやくと、

『りょうすけさぁん。ぼくのこと、だっこしてくれますかぁ？』

ぱっ、と

小さくてふわふわの両手を広げた。

「――！！！」

俺が向かうのは

みつばのある丘か、それとも自分の巣か。

はたまた、天国か。

それは俺にもわかりません♡

fin