EPISODE 22 ページ25
？？？視点
レイは誰かいないかおそるおそる見回しながらAの部屋から出ていく。
レイは初めの頃に比べて少しずつだけど彼と本音で話せていた気がしていた。
……でも、さっき話した彼はいつものAじゃなかった。
レイはそう思わずにはいられなかった。
笑顔の奥に黒い何かが潜んでいるような、だけど表面上では恐ろしく暖かく優しい笑顔。その表情を思い出してレイはゴクリと息を飲み込んだ。
Aの考えていることが何一つ読めなかった。
『失敗なんてしない。成功する』
そう言う彼の目には確信があった。ここのハウスの子供達を見たことないはずなのに、彼は成功すると言い切った。どこからそのような自信が湧いてくるのだろうか。
「ほんっと、意味わかんねぇ」
暗くなった廊下にレイの声が小さく響く。レイはボリボリと頭をかいて大きなため息をついた。
……あいつは仲間に入れなきゃ最悪俺達が死ぬかもしれない、その考えがレイの頭に浮かんだ。
…
レイがゆっくりと部屋から出ていき、ガタンと扉が閉まる。
＿＿＿その瞬間、Aの表情が変わった。
暖かかったその笑顔が消え、氷のように冷たくなる。ソフィへの後悔がどんどん黒いドロドロとしたものに変わっていくのをAは感じていた。
「…何が空の上からでもみてて、だ」
鋭い言葉がAの口から零れる。
……彼女は、もっと生きたかったはずだ。これからもっと楽しいことが待っていたかもしれないというのに。
＿＿＿＿それを俺がぶち壊したんだ。
皆を守るって誓ったこの俺が！！！
この世界を変えてやろうという有りもしない正義感にかられて、脱獄した後の事なんて何も考えてなくて、約ネバの人達に会えて嬉しくなって、俺のやってたことは正しかったんだだなんて、ただの自己満足で。
Aの口から全てを諦めてしまったかのような掠れた笑い声が響く。
「さいってー、俺」
涙はもう出てこなかった。
目を閉じれば浮かんでくる水色の髪の少女。自分が殺めてしまった少女。助けに行くと言ったのに、逆に助けられてしまった。
「うわぁぁぁあああああああああっっ！」
Aの悲痛の叫び声が部屋中に反響する。
Aは叫びながら皿などを手当り次第に投げ、ガシャンガシャン、と耳鳴りがするほどの大きな音がする。だけど隣の図書室では防音のおかげか物音ひとつしなかった。
Aは疲れたのかへにゃりと地面に座り込む。
それでも彼の目は黒く闇に染っていた。
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Rabbit book(プロフ) - 公務員さん» ありがとうございます！嬉しいです(*´-`*)更新頑張りますのでこれからも応援よろしくお願いします！！ (2019年8月10日 18時) (
レス) id: 5389d4eda8 (このIDを非表示/違反報告)
公務員 - あ、、、、続きが気になって仕方がない、、、、、!更新楽しみにしてます!! (2019年8月8日 12時) (レス) id: 567cb90382 (このIDを非表示/違反報告)
Rabbit book(プロフ) - 花風雪さん» ソフィは、、、、どうなってしまったのでしょうか……続きをお楽しみにしててください！笑 (2019年6月17日 16時) (レス) id: 5389d4eda8 (このIDを非表示/違反報告)
花風雪(プロフ) - (´･Д･)ぽかーん、ソフィィィィ！ (2019年6月16日 19時) (レス) id: e781858e49 (このIDを非表示/違反報告)
Rabbit book(プロフ) - はるせさん» そうです、やばいんですよ！！（笑）更新頑張っていきますので応援よろしくお願いします！ (2019年5月13日 19時) (レス) id: 5389d4eda8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ま る | 作成日時：2019年4月3日 14時
