EPISODE 17 ページ20
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A視点
「…っおい!!なんで分かった!?」
勢いよく開けられたトビラと負けないくらい大きな声。最近寝不足気味の自分にとってはうるさくて、とても不愉快だ。
…せっかく気持ちよく寝てたのに。
「分かったって、なんのこと?」
頭がぐわんぐわんしている。レイはくわっと目を見開いて叫んだ。
「新しいママの事だっ!!!」
「…レイ、うるさい」
レイの口から出るはずのない大声。レイが取り乱しているせいか、だんだん冷静になって頭のふらつきも治まった。
「…なんでお前は分かった?」
「そう言うってことは来たんだね。新しいママ」
彼の態度からきっとエマとノーマンには言っていなかったのだろう。まぁ、知ってたとしても何もすることは出来ないと思うし、逆に怪しまれてしまうだろう。
「分かったっていってもただの勘だよ。別に絶対来るって確信してた訳でもない。言ったでしょ?本当かどうかは知らないって」
レイは俺をじとりと睨む。その瞳に疑いの色が映っているのが分かって、ちくりと胸が痛んだ。
その痛みに目を逸らして、目を瞑った。知ったって良い事は一つもないのだから。
その後もレイと色々な話をする。きっと自分を抑えるためにクローネを入れた事とか、新しい子、キャロルがエマにそっくりだということとか。
レイが部屋にある時計をちらりと見て、ご飯の時間だから、と出ていこうとしたので慌てて呼び止めた。
「あっ…レイたちはさ、脱獄しようとか考えてるの?」
「え?あぁ、考えてる」
「そっか…そうだよな、…頑張れよ」
「?…おう。…じゃあ、行くから」
「うん。またね」
彼等が脱獄をする時には俺はどうするのだろうか。ついていく?…嫌、わかってんだろ、俺。
そんなこと、脱獄の準備をしてきた時から分かりきっていた。
「…頑張れ、みんな」
俺は、この脱獄についていってはいけないのだ。
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Rabbit book(プロフ) - 公務員さん» ありがとうございます!嬉しいです(*´-`*)更新頑張りますのでこれからも応援よろしくお願いします!! (2019年8月10日 18時) (レス) id: 5389d4eda8 (このIDを非表示/違反報告)
公務員 - あ、、、、続きが気になって仕方がない、、、、、!更新楽しみにしてます!! (2019年8月8日 12時) (レス) id: 567cb90382 (このIDを非表示/違反報告)
Rabbit book(プロフ) - 花風雪さん» ソフィは、、、、どうなってしまったのでしょうか……続きをお楽しみにしててください!笑 (2019年6月17日 16時) (レス) id: 5389d4eda8 (このIDを非表示/違反報告)
花風雪(プロフ) - (´・Д・)ぽかーん、ソフィィィィ! (2019年6月16日 19時) (レス) id: e781858e49 (このIDを非表示/違反報告)
Rabbit book(プロフ) - はるせさん» そうです、やばいんですよ!!(笑)更新頑張っていきますので応援よろしくお願いします! (2019年5月13日 19時) (レス) id: 5389d4eda8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ま る | 作成日時:2019年4月3日 14時