EPISODE 31 ページ35
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「誰…です…か?」
エマの口から驚く程弱々しい声が聞こえた。彼女を恐怖に陥れないように、できるだけ優しく話した。
「えっと、俺はAといいます。年齢は11歳、隣のプラントから逃げてきました」
声は震えることなく、スラスラと出てきた。
…慣れって怖い(2回目)
「へっ…逃げてきた…?ええええ!?」
エマの驚く声と同時にアホ毛がぴょこぴょこ動いた。
…やっぱりアレ、動くんだ。
あと、この部屋は防音なので、外にこの驚く声が届くことは無い。(※神様の手紙参照)だけど、驚きすぎじゃね?
「あの、一応言いますが俺は味方ですよ」
「味方…?」
「…脱獄を考えているんですよね?」
「えっ、なんで知ってるの!?」
多分この反応が普通なのだろうけど、以前に皮肉な3名と出会っているので、この反応が逆に新鮮だ。
「以前に、レイとノーマンと会って、聞いたんです」
「あ〜。そうなんだねっ!って、あの2人教えてくれなかったよ!?!?」
喋る度にぴょんぴょん動くアホ毛に気を取られながらも、その眩しい笑顔にホッコリしていた。
…あの二人にも見習って欲しいものだね。
「あっ、そういえば私の自己紹介してなかったね!名前はエマ、年齢はAと同じ11歳です!」
「同い年なんだね!エマ、よろしくね!」
「うん、よろしく!!」
俺が出した手をぎゅっと握り、握手する。
「ねぇ、Aはいつからここにいるの?」
エマの素朴な疑問が俺の頭を混乱させる。
「いつ…」
色んなことが起こりすぎて、ハウスの中のことを最近聞いていなかったことを思いだす。
「…結構いるよ」
曖昧な言葉で濁したが、エマは納得してくれたようだ。
…
「あっ!もうそろそろご飯の時間だから、バイバイ!」
「うん、ばいばーい」
エマは部屋から出ていき、しんと辺りが静かになる。
…いま、外では何が行われている?
タイムリミットまであと何日?
…知りたいことが山ほどある。
でも、今考えても答えが出ないことは分かりきってるので、本の続きを読むことにした。
…エマ、可愛かったなぁ。
って言ったらノーマンに殺されそう。鬼の形相になって怒るノーマンを想像して思わず笑みが零れる。
…ここの部屋に来てから色んなことがあった。
…みんなを絶対に救ってやるからな。
隙間からは、太陽が応援してくれているかのように光っていた。
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Rabbit book(プロフ) - 公務員さん» ありがとうございます!嬉しいです(*´-`*)更新頑張りますのでこれからも応援よろしくお願いします!! (2019年8月10日 18時) (レス) id: 5389d4eda8 (このIDを非表示/違反報告)
公務員 - あ、、、、続きが気になって仕方がない、、、、、!更新楽しみにしてます!! (2019年8月8日 12時) (レス) id: 567cb90382 (このIDを非表示/違反報告)
Rabbit book(プロフ) - 花風雪さん» ソフィは、、、、どうなってしまったのでしょうか……続きをお楽しみにしててください!笑 (2019年6月17日 16時) (レス) id: 5389d4eda8 (このIDを非表示/違反報告)
花風雪(プロフ) - (´・Д・)ぽかーん、ソフィィィィ! (2019年6月16日 19時) (レス) id: e781858e49 (このIDを非表示/違反報告)
Rabbit book(プロフ) - はるせさん» そうです、やばいんですよ!!(笑)更新頑張っていきますので応援よろしくお願いします! (2019年5月13日 19時) (レス) id: 5389d4eda8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ま る | 作成日時:2019年4月3日 14時