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激痛を我慢しつつ術式を発動した。
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術式を発動した直後、ずきり、と一際鋭い痛みを感じる。
どうやら、先程の攻撃には毒が含まれていたらしい。
痛みに耐えきれずに地面に膝をつく。
前に目を向けると、術式が呪霊にしっかり効いており、凍っていた。
私の術式は相手の呪力に干渉し、操る効果がある。相手が強い程、効きにくい。
今使ったのは凍らせて相手の全てを封じるもの。
ただ、それで殺せるわけではなく、凍らせるだけ。
さらに一撃を入れないと倒せない。
そう思って、呪霊に右手を向けた瞬間、視界がグラリと揺らいだ。
自分が後ろに倒れるのを感じる。
だめだ。さっきの凍玻璃の効力は恐らく12時間程度。
早くとどめをささなくては。
そう念じるけど、無理だった。
もし夏油が呪詛師になっていなかったら助けてくれただろうか。
夏油がいたらあの呪霊も祓ってくれたかもしれない。
ああ、やり直したい。
狂い始めたのは多分、星漿体の護衛の任務の件の時からだ。
もう一度のやり直せるのなら全てうまくいくのに。
遠ざかる意識の中でそう思った。
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作者名：穂波 | 作成日時：2021年11月20日 22時
