もういちど【呪術廻戦】 (ページ26)

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「お嬢様」

黒井さんが声をかけると、「黒井！」と顔を輝かせる理子ちゃん。
よほど信頼しているみたいだ。
ちなみに黒井さんは夏油の呪霊操術で出した呪霊に乗っている。

「理子ちゃん、私たちは味方だよ。あのクズ2人を信用しろって言われても疑いたくなるのはわかるけど」
「そうか！お主は信頼出来そうじゃ！」
「ほんと？良かった」

とりあえず私は理子ちゃんの信頼を得られたらしい。
きっとあの2人が信頼してもらえないのは、クズだと理子ちゃんが本能的に察知したからだろう。

思っていたより理子ちゃんはアグレッシブだ。
同化の苦しさを紛らすために、わざとそう振舞ってるのかもしれない。

「あの喋り方だと友達もいないじゃろ」「快く送り出せるのじゃ」

揶揄うように指差す五条と夏油に、理子ちゃんは「学校じゃ普通に喋ってるもん！」と赤面する。

「……学校‼︎」

その言葉を聞いて黒井さんは、しまったという顔をする。
どうやら学校に行きたがらせないように、その話題を避けていたみたいだ。

「黒井‼︎今何時じゃ⁉︎」
「まだ昼前……ですがやはり学校は」
「うるさい！行くったら行くのじゃ‼︎」

できれば今すぐにでも高専に戻りたかった。
その方が安全だから。

でも理子ちゃんの要望には全て応える、というのが天元様の命令なので学校に行くことになった。

　 ••✼••

「チッ、ゆとり極まれりだな」

夜蛾先生との電話を切った五条が苛立たしげに呟く。

「そう言うな、悟。同化後、彼女は天元様として高専最下層で結界の元となる。友人、家族、大切な人と会えなくなるんだ」

夏油は五条を静かに宥める。

夏油の言う通りだ。
最後に友人と楽しい時間を過ごしたいと思うのは当然の話。

理子ちゃんは幼い頃に両親を亡くしていて、それ以来ずっと黒井さんと一緒らしい。

「それじゃあアナタが家族だ」と夏油が微笑みかけると、黒井さんは心なしか嬉しそうだった。

「……夏油ってすごい」
「Aに褒めてもらえるなんて光栄だね」

ふふ、と笑いながら頭を撫でられ、顔が熱くなった。
突然こんなことしてくるなんてずるい。

「こんな時にイチャつくな」

急にかしこまった様子の五条に怒られた。