第3話 ページ4
『実はこの前のコスイベで山田一郎にバッタリ会った』
「おーまじか」
ええー反応うっす!
『……こちとら意を決して話したってのに』
まあ、変に反応されるよりかは幾分もましか。
馬鹿みたいに騒がれて山田一郎の耳にまで届いてみろ。
脅されて、ボコられて、奴 隷、下僕にされて、その画像を盾に譲られ、挙句の果てにはばら撒かれ、一生晒し首にされ最終的に殺 られるに決まっている。
考えただけでも全身の血の気が引き、胃がきりきりと悲鳴をあげた。
「それでA、バレたの?」
『んー今のところそれはセーフっぽい。顔見られてるけど反応ないし。そもそも俺高校時代モブ貫いてたし』
「ふーん。ならいいじゃん」
おいおい、冗談だろ!お前まじか!
友人の余りの塩反応っぷりに乾いた笑いが零れる。
『アハハ……お前に話した俺が馬鹿だったわ』
「えーそれ酷くない?」
『どの口が言ってんだよ』
ふと、そこで一連の流れを振り返り疑問が浮かぶ。
ん?待てよ?なんでコイツはこんなにあっさりなの?
そもそも普段のコイツなら山田一郎についての話はやたらと食いついてたはず。
それが今日に限っては反応を示すどころか最早無反応。
だがその割に顔はニヤニヤとほくそ笑んでいる。
......こーゆう時のコイツは大体碌なことがねえ。
最悪な事にその予感は数秒思案し、はたと嫌な答えを導いてしまった。
これは俺の勘が言っている。
_____コイツは何かを企んでいる、と。
『その気持ちわりィ顔の意味を帰るまでに話さなかったら末代まで呪ってやる』
「あーあ、バレちったか〜w流石A!鋭いねえ〜w」
『鋭いも何も隠す気ゼロのその顔で気づかねー方がヤバいだろ』
「これ以上隠してても無駄か」等とぼやき、意外にもあっさりと口を割った友人に更に不安が増す。
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