国達と神様の御使い１５

６の世界【ラブコール】 ページ19

紙を広げても何も書いていない。変だなと思いつつ、念のため炙ってみた。

「お。文字が浮き出てきた。なになに…『結婚式はどこがいい？』だって？」

更に浮き出てきたものは、イギリス？と私？が結婚式を挙げている可愛いイラストである。

直ぐ様イギリスが占った結果、間違いなくオリバーからの悪戯手紙である。厄介な…

どうやら何重にも張った結界にも抜け道があったようで、変哲もない手紙を放り投げるくらいは突き抜けてしまうようだ。

対策を練る間にも、オリバーの手紙がわんさか届いてくる。

挙げ句の果てにはうさぎのぬいぐるみまで届く始末。

軍服を着た金茶のうさぎは、目がアレキサンドライトで綺麗だ。手作りだろうか？眉毛の自己主張が激しいぬいぐるみってあんまりないし、手作りだろうなぁ…

「捨てなさい」

ロシアが容赦なく捨てろと言ってくるけれど、無駄に愛くるしいこのぬいぐるみを捨てるのに抵抗がある。

精巧なうさぎのぬいぐるみは、オリバーという煩悩まみれが作ったわりに、とても綺麗な見た目だ。可愛い。

「だめ！僕が後でぬいぐるみ作ってあげるからそれ捨てて！」

「もー！ロシアは私の恋人ではないでしょうに！！」

「！！！！」

ロシアさんたらすんごいびっくりした顔をしているけれど…

私、間違った事は言ってないと思うよ？

恋人なら他の男性からの贈り物を気にしても仕方ないけれどさ、友達は普通、気にしないよ？

きゅーんと悄気た白熊ロシアさんは置いておき、一応手紙を見ていく。

可愛いとか結婚式とかデカデカ書かれた手紙ばかりの中、一つだけ気になる事が書いてあった。

「アレンはロキと手を組もうとしている…？なにそれ」

戯れ言と片付けるには、否定できるものがない。勿論、肯定するものも。

だって私達、アレン達について何も知らないのだもの。

一応探りは入れてるんだけど…なかなか上手くいかない。ああ見えて警戒心が凄く強いんだよね。

ちらりとイギリスを見ると、むしられた花弁にまみれたファンシーな彼が見えた。その表情は、結構暗い。

とてもがっかりしていらっしゃるけど…100%当たるなら、制限はあるけど予知みたいなものだ。外れスキルではないと思うんだけど…格好よく戦いたかったのかもしれない。男の子ってそういう所あるし。

こういう嘘か真か不明な時こそ、そのスキルは輝くと思うの。

「イギリス…花占いしてもらえる？」

「えぁ？占い？」

「オリバーの言葉が嘘か本当か、知りたいの」

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