意地悪をしたくなる ページ1
「ふんふふん…」
流れてくる曲を聴きながら、男―――オリバー・カークランドは作業をしていた。
A達が言っていた新しい技術を試しているというのは、あながち間違ってはいない。
ただ、彼はどちらかというと…好きな子に意地悪をしたくなる程度の、他愛ない事としてやっていた。
たまにはちょっかい出さないと、気がすまない。そんな程度で人の営みを乱していた。
「よーしよーし。これならいい結果出そーダネ♡」
新しく作り出された物も、そんな程度の気持ちで産み出された物だ。
あどけない瞳で見上げてくるそれを、オリバーは満足そうに見下ろした。
「AのDNAから作った可愛い赤ちゃん♡いいね、こういうの」
何も知らず抱っこを迫る赤子を見て、にんまりと笑うオリバー。
次はどうしようかと悩みながら、赤子の声がしてもその作業は絶対に止めなかった。
可愛いと思う気持ちは確かにある筈なのに。
彼には大切な心がなかった。
―――いや、壊れていた。
最初は確かにあった筈のものは、もう既にぼろ雑巾のように擦り切れ汚れてしまい、捨ててしまったのだ。だからこそ外道な行いも平然とやってしまえる。
足に手に、迷わず腹部と頭部に。
とある科学者が残した魔法を施していく。
誰からも愛される素敵な魔法だ。何が出来ても、出来なくても、賞賛してもらえる。そうして、人を物としか思えない最高に歪んだ子供が出来上がるのだ。
オリバーは赤子に軽い洗脳魔法を掛けてから、玄関に向けて歩き出す。
どうやらお出掛けをするようだと、側に立つ部下達が冷や汗を流しながらコートをオリバーに慎重に着せた。
しかし汗が付いたのが不愉快だったのか、オリバーはその部下を花瓶にする事に決めた。
土に埋められ頭だけ出した部下の口に、コルチカムを差し込んだオリバー。喉に思い切り刺さったのか、吐きそうだったので更に押し込む。
横にも同じ花瓶が沢山設置されていたが、そろそろ活きの悪いものばかりで栄養がない。そう思ったオリバーは処分しておけと部下に命じた。
明日は我が身と震えながら萎れた花瓶を片付ける部下達を、未だにわけもわからずキョトンとして見つめる赤子。
きっと碌な事を考えていないのだろうなと思ったルイスは、潜入するのを止めて帰る事にした。
何せ、潜入してからそろそろ一時間経過する。使っている香水の効果が消えてしまえば見つかってしまうからだ。
この報告こそ、幽霊騒ぎのお礼に相応しいだろう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 148人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ヴァーニャ(プロフ) - ぴーちゃんさん» コメントありがとうございます！自分の萌えの為にアレもこれもと欲望ごった煮で書き始めた為、アナザーキャラという変態たちを出していいのか不安でしたが、そう言っていただけると安心しましたし嬉しいです！更新は…気長にお待ち下さい(^^ゞ (2019年8月11日 17時) (
レス) id: 3ca6ab6753 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーちゃん - まだ御使いの9までしか読めてないけどこのシリーズ大好きです。何年か前からヘタリアにハマりっぱなしだし、もっとはやくから応援したかったです…。今さらですが応援してます、更新待ってます(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2019年8月9日 13時) (レス) id: 50f98fc46b (このIDを非表示/違反報告)
ヴァーニャ(プロフ) - めめさん» 遅くなりましたが、コメントありがとうございます！忙しいせいで更新が遅くなりすみません… (2019年6月14日 19時) (レス) id: 3ca6ab6753 (このIDを非表示/違反報告)
めめ - 待ってました〜〜〜〜！！！！！！！！ (2019年6月9日 2時) (レス) id: dff1165fa4 (このIDを非表示/違反報告)
ヴァーニャ(プロフ) - めめさん» 嬉しいコメントありがとうございます！思っていたより長く続いてますが、これからも宜しくです！ (2019年2月23日 18時) (レス) id: 3ca6ab6753 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ヴァーニャ | 作成日時：2018年11月20日 18時
