６の世界【走為上】 ページ22
「さ、さあ！皆で行くんだぞ！」
そう言って私の手を握ろうとしたアメリカは、ロシアに阻まれた。
そのせいで握ったのはロシアの大きな手だったけど、今の彼にはそんな事を気にする余裕はないらしい。
アメリカに握られてぶんぶんしても離してもらえなかったロシアは、諦めたのか捨てられた仔熊みたいな顔で私を見ている。
仕方なく空いてるロシアの手を握ったら喜んでいるのか熊耳が揺れている。
「アメリカ……そ、そんなに怖いんなら、俺が握ってやってもいいんだぜ？特別に！特別にな！」
イギリスはそう言ってアメリカに手を差し出したけれど、先程ニヤニヤしながら言ったせいだろう。ロシアというなんか幽霊祓えそうな奴の手を掴んでいるからだろう。
アメリカはハッと鼻で笑い、空いた手をフリフリして「手を塞ぐわけにもいかないし、怖くなんかないから要らないんだぞ、お爺ちゃん」と言う。
あ…イギリスがすんごい落ち込んでしまった…
もふもふしたウサギ耳が余計に垂れている気がする。
可哀想なので慰めてあげたいけど、ロシアは絶対に手を離さなかった。
ちらりとイギリスが私を見てきたけれど、その掴まれた手を見て舌打ちしている。
…え…落ち込んだフリ…？
遊んでいるわけにはいかないと、アメリカはロシアを掴んだまま勇ましく部屋から出た。
ねとりとした視線を感じて横を見ると、抉れた顔の少女がぼんやり浮かんでいた。
小さく何か呟いている。
【わたしのあたま、しらない？】
かな。
アメリカは硬直し、叫んだ！
「i don't know！！！」
バタンとドアを閉めたアメリカさん。
なんだか冷えた目を向けているイギリスを見て、アメリカは爽やかな顔を見せた。
「君の方がやっぱり相応しいよ！」
「…お前」
すっごい呆れた目をしているイギリスを真っ直ぐに見つめるアメリカ。
ちなみにアメリカはロシアの手が鬱血しかねないぐらい強く握っていたりする。握られなくて良かった！本当に！
ロシアは流石に嫌だったのかアメリカをべしりと殴り、ランタンを奪った。
「オバケが怖いアメリカくんの為にも、オバケが怖くない僕がやってあげるね」
「怖くないよ！」
「ならどうしてイギリスくんを抱き締め潰してるの？イギリスくんがますます細くなっちゃうよ？」
「イギリスを守ってるんだぞ！」
「たすけ…」
「助けてとか言ってるけど？」
「違うんだぞ！太助と言ってるんだよ！」
「え、誰？」
「イギリスの架空の友達さ！」
絶対に違うと思う。
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ヴァーニャ(プロフ) - りーあんさん» 嬉しいコメントありがとうございます！私、変態＆ヤンデレキャラが好きでどこまで書いたら許されるのかびくびくしながら書いてますので、案外オリバーさんが受け入れられてホッとしてます(笑)更新頑張ります！ (2018年11月4日 20時) (
レス) id: 3ca6ab6753 (このIDを非表示/違反報告)
りーあん(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます！オリバーけっこう好きで、出てくるたびにうおおおってなってます！更新頑張ってください！ (2018年11月3日 21時) (レス) id: 5c83230587 (このIDを非表示/違反報告)
ヴァーニャ(プロフ) - 宇宙領ロシア州さん» 嬉しいコメントありがとうございます！更新時間がまちまちですみません… (2018年10月12日 19時) (レス) id: 3ca6ab6753 (このIDを非表示/違反報告)
宇宙領ロシア州 - いつも楽しく見させていただいてます！ (2018年10月12日 19時) (レス) id: e2e2848499 (このIDを非表示/違反報告)
ヴァーニャ(プロフ) - 抹茶さん» フランスさんじゃなきゃ、悪戯で済まなかったですよね(笑)大罪達も流石に全裸にされたら怯むと思われます(約２名省く) (2018年9月29日 19時) (レス) id: 3ca6ab6753 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヴァーニャ | 作成日時：2018年9月7日 23時
