３の世界【元気になあれ】 ページ46
深い後悔と絶望を抱いているっぽい夢子ちゃんを抱き締めながら、どうやったら元気になるか考える。
ハンバーガー…アメリカじゃないんだからご飯に釣られないよなぁ…
お花は今の状況であげても元気にならなさそうだ。
ふと、アメリカが夢子ちゃんを元気にしようとしてか話始めた。
「夢子はついったーを知ってるかい？」
「ついったー…？」
「まあ、自分の軽いぼやきだとか画像や動画を載せれる、不特定多数の人に見てもらえるサイト…アプリなんだけど」
アメリカは何かを思い出しながら、まるで悟りを聞かせるように呟く。
「イギリスの奴が…ぼっちなのにいつの間にかついったー始めてたんだ」
「イギリスさん…確かアーサーと同じ顔の？」
「そうさ！で、彼奴凄い自信満々に料理の写真を載せてたんだけど…規制されてしまってたんだ」
「ぶはっ！！」
フランスが堪えきれず思いっきり紅茶を噴いた。スペインが「自分で拭いて」とタオルを渡す。
そんな二人を気にせず、アメリカは続けた。
「不適切だと規制された写真だから流石に気になって見てみたら…見ても何を作ったのかわからなかった。…俺は初めてただの料理で規制されてる奴を見たよ」
日本は顔を真っ赤にして必死に我慢していた。笑っていいと思うよ。
夢子ちゃんも元気になった…というかヤバすぎてなのか、バンバン床を叩きながら笑っていた。
ハンガリーも面白がって話をしてくれる。ほう、オーストリアさんはすんごい方向音痴で、東京へ行こうとしたのにいつの間にかアキバに行ってしまい、コスプレに衝撃を受けてたらしい。
私はにこにこ微笑むロシアをちらりと見てから、何かを察したロシアが慌てて口を閉じさせようとする前に話した。
「ろ、ロシアさんアメリカさん…可愛い…」
可愛い話をしたら、夢子ちゃんは楽しげに笑い、話のネタ元である二人は悲鳴を上げた。
「あああああ…厳格な僕のイメージがぁ…」
「格好いいHEROのイメージがぁぁぁ…！」
厳格…？格好いい…？
お花トラップに引っ掛かり檻の中の熊さんになるような人が？食べ物トラップに引っ掛かるような人が？
まあ、その妄想は置いといて…
夢子ちゃんはすっかり元気になったらしく、今もベラルーシの話を聞いて元気にぴくぴくしていた。最早笑いすぎて虫の息。
フランスはもうイギリスの規制ご飯で頭がいっぱいらしく、早くからかいたくてうずうずしていた。
…関係ないって顔してるけどさ、アーサーの料理も大概だからな？
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作者名：ヴァーニャ | 作成日時：2017年3月10日 0時
