3の世界【VS這い寄る混沌2】 ページ33
「Nyarlathotepは沢山の分身を持っているんだ。その分身達はそれぞれ独立して動いている」
黄色いような黒いようなネバネバが、入れてほしそうに扉の枠越しに此方を見ている。ごめん。その見た目を変えて害意を消してくれなきゃ嫌かな!
アメリカは詳しい解説を教えてくれるけど凄く眠い。大半の人はぐっすり寝たかもしれないけど、私と私に付き合って日本とベラルーシは寝てないのよ?
ちらりとベラルーシを見ると、鼻息荒くロシアの足元に収まっていた。元気そう…
右からアメリカ、ロシア、私、日本、フランスと並び…
その下にはハンガリー、ベラルーシ、アーサー、スペインがいる。
皆で前の方に身体を半分起こしつつ、出現させた扉の向こうのドロドロを見つめる。
「悪い神が作り出したNyarlathotepには分身とか奥さんとかいないみたいだね」
アメリカが興奮したように呟いた。彼はクトゥルフが好きらしく、目をキラキラさせている。
そんなメリカちゃんを見てロシアは鼻で笑った。
「お子様だねぇ、アメリカくんは」
「俺は君みたいにぱんつとかの事に口出ししたりする程女性の服に拘りはないから子供かもしれないね!」
おー…アメリカから強力なカウンター貰っちゃったねロシアさん。
ロシアは恥ずかしくてなのか頬を赤くし、「衛生的に良くないって皆が言って決めた事だから僕は関係ないもん」と言い訳していた。よしよし。ちょっとしか拘りないもんね。
フランスは友達に助けを入れる為か、明るい声で「ドイツの方が凄いのあるんだよ」と言ってきた。ほほう?どう凄いの?
「セクシーな歯医者の女性がさ、セクシーな服装で診てくれる所があるんだって。お兄さん一度行ってみたい」
「へぇー…でも日本くんの方が変だよね」
「!?」
流れ弾を食らった日本は目を丸くさせた。いや、うん、男性用ブラとかあるんだもんね、はは。そりゃロシア(変わった国)から見ても変だわ。
まだニャルラトホテプはがりがりと扉に噛みついている。
ふと、ロシアが「поехали!」とか言ってアメリカを投げ飛ばした。
「Fuck you!」
ニャルラトホテプに触れあうギリギリに止まったアメリカが中指を立てて御立腹のようだ。ロシアは素知らぬ顔で「重いからあんまり飛ばなかったね」とか煽る。
冷戦が勃発した…
でも気儘で飽きっぽい二人は、直ぐにニャルラトホテプの方に気を取られた。
ていうか二人とも…私の布団に侵入しないでよ…
狭い中、ロシアもちは呑気に欠伸していた。
3の世界【VS這い寄る混沌3】→←3の世界【VS這い寄る混沌1】
94人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ヴァーニャ | 作成日時:2017年3月10日 0時