3の世界【どうしろと!?】 ページ28
「あ、死んだとしても元気ない方が運びやすいよね」
そう言って目標を麻袋に包んで持ち上げると、アメリカくんが何故か微妙な顔で「映画に出てくる悪役そっくりなんだぞ」とか呟いた。
「…あのね、手刀なんて危険な事をしといて言う台詞じゃないよね?死にかけてるの君のせいだから」
「うっ…でもらいとのべるでは上手くいってたんだぞー…」
「小説とかそういうところ含めて所謂ファンタジーだから。アメリカくん、いま犯罪者と同じ心理で動いてるから気を付けなよ」
「違うんだぞー!行き過ぎた信者と一緒にしないでくれ!」
なんだかアメリカくん怒ってるけど…
「だったら今度からもうちょっと考えようね。人って君よりも装甲が薄いんだから」
「ロシア…何故君の目線は低い所を見ているんだい?」
「アメリカくんのお腹のダブルバーガーを見ているんだよ」
「ダブルバーガーじゃないよ!」
「えー…でも僕知ってるよ。君が隠れてキャラメルポップコーンとカップケーキ食べてる事」
不貞腐れてるアメリカくんは置いといて、シャドウ・ゲートでAの待つ船に移動する。これ、便利なスキルだなぁ。これでいつでもフランスくんちに行けるね♪
「あ、待ってくれよロシア!行きたい所があるんだけど」
「良いよ。じゃあ死体は此所に置いておこうか」
「いや、まだ死んでないよ。殺さないでくれよ」
「えー」
アメリカとロシアがお出掛けしてから約二十五時間が経過。
プロイセンがこの世の終わりのような顔をしてフランスの庭を気に入って居着いてしまった小鳥さんに別れを告げてから、1日以上が経過してしまった。
「大丈夫かなぁ」
思ったより遅くて心配で部屋の中をぐるぐる回る私に、フランスと日本が「大丈夫だよあの二人なら」「喧嘩をしているかもしれませんが、良い大人なんですから大丈夫ですって」と言ってくれた。
…でも。
「なんだかやらかしてそうなんだよなぁ…アメリカが」
「「ああ…」」
スペインすらも遠い目をする。
いや、アメリカだって別に言うほど無茶苦茶したりしないけどさ、テンション上がると危ないんだよね。渡したお弁当の量は一日分もないしさ。
「ただいまぁ」
「HEROのお帰りなんだぞー!」
噂をすればなんとやら。影からロシアとアメリカの二人が現れた。
見れば二人揃って何かを…そう、まるでバカンスを楽しんできたような格好をしていた。
「あの…ロシアその麻袋…」
「はいA、これ。死にたてだよ」
「…え!?」
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作者名:ヴァーニャ | 作成日時:2017年3月10日 0時