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3の世界【頑張る吸血紳士5】 ページ16

Aの素早く的確に動く様は、アメリカが感動して「ジャパニーズシノービ!」と言うほどに忍者っぽい様だった。

魔法でそれらを一塊にした後、怖がって胸の谷間に埋まっていた子猫ろしもちが点火して消し炭にした後に外に念力で捨てた。

「Aー!格好いいし可愛いんだぞー!」

「お、おお」

何とも言えない顔をして飛び付いてくるアメリカを抱き締めるA。アーサーはそんな彼女の白く細い首筋を見て唾を飲み込んだ。

(甘そう美味しそう甘そう美味しそう甘そう美味しそう甘そう美味しそう)

良からぬ気配を察してぞわりと鳥肌を立てるA。しかしアーサーは気にせずガン見している。

「どうしたんだい?アーサー」

「…ああ、アメリカ。ちょっと腹が減ってるんだ」

「…もしかして君、首筋フェチかい?」

「どっちだろうな」

ようやくロシアの噛み痕が薄れてきていたAは、また噛まれてたまるかと子猫ろしもちガードをする。

アーサーはろしもちをちょっと残念そうに見てから「煙草捨ててくるわ」とその場を後にした。

(架空の神を作り出して何をしたいのだろうか…悪神は)

あの虫からは生き物ならある筈の生きている気配を感じられなかった。つまり本当の生き物ではない。

嫌われものである虫の姿を見せて近くの島に着かせたかったようだが、恐らく思った以上にAの対処が冷静すぎたのだろう。

数百レベルで蠢いていたというのに、彼女は勇猛果敢であった。

鳥の目からは消し炭になり海に散っていたソレが集まっているのが見えた。どうやらこの船に戻って来る気のようだが――

(そうはさせん)

アーサーは支配していた鳥の目を媒介に他の鳥を操り、ソレを襲わせた。鳥は思考回路が単純なので、得意分野ではないが器用なアーサーには支配する事も容易いのである。

ちなみにイヴァンは基本的に手先は器用だが大雑把な性格の為に失敗しやすかったりする。

…蛇足だが二人の料理の腕前は器用不器用以前の問題である。

アーサーはプロイセンや日本が見たら怒りそうな事を支配した鳥にやらせ、じっと観察をし続けた。

ソレをつついて食べて分散するように指示していたのだが、その指示が果たされる事はなかった。

鳥の首がもげたのだ。

(…あれはNyarlathotep?)

日本ではニャルラトホテプ、ナイアーラソテップ等とも表記されているクトゥルフ神話の中でも有名な架空の神だ。

(それっぽいとは思っていたが…まさか本当に…でもNyarlathotepならましな方だな)

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設定タグ:ヘタリア , 枢連 , ヤンデレ   
作品ジャンル:ファンタジー
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作者名:ヴァーニャ | 作成日時:2017年3月10日 0時

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