3の世界【カルマ】 ページ2
私は一度、自らの手で私を殺しました。
知っていますか?
小さな子供の世界は、父と母の存在が多くを占めています。
例えばどんなに酷い親だとしても…ずっと何らかの形で心の片隅に残っています。
幼ければそれは純粋な気持ちが、残酷な気持ちが、弱い心も強い心も、そしてトラウマもずっと残るのです。
置いていかれる事が私のトラウマです。だからこそ追いかけようとしたのです。
もしも夢子ちゃんの隠している事が家族の蘇生を願ったとかなら、そしてそれを話したら家族の蘇生の効果が消えるのだとしたら…
きっと私達のする事は、夢子ちゃんにとって鬼畜の所業のような事でしょう。
でも彼女も解っている事でしょう。
この世界に居る家族は、自分の知る、自分の愛する家族ではないと。
けれどもしも私と同じように死を選んでしまったら…
助けてくれる人は居るのでしょうか?
…と、仔猫姿のロシアもちにエッセイ風に相談してみたら、53点と言われた。
くっ…意外と評価が厳しい!
「普通は死を怖がるものだし、止めて欲しがるものだから、大丈夫だよ。それに常識的な親なら自分に生命保険かけてるだろうから金銭的には余裕だろうし。後は時間が経てば癒えていくと思うよ」
「そっか…」
「お別れだけが人生だもの。ちょっと早くなっちゃっただけ。君の言うように天国でまた会えるだろうし」
そう言ってくるロシアもち。
うーん…夢子ちゃんは兎も角、私は家族と天国で会える気がしないなぁ。
だってジサツしたし、そのせいで沢山酷いことになってしまったから。償わなきゃいけないしね。
ロシアもちと会話をしていると、ロシアさんとベラちゃんとフランスさんが構って欲しそうに私に近寄ってきた。
「か、可愛い…!どうしたのその猫耳!」
「お兄さんアーサーに魔法かけられちゃった☆」
「私は眉毛野郎にせくはらしたこの変態に巻き込まれたわ。兄さんの友達じゃなきゃこいつのち○こもいでたわよ」
「お兄さんロシアと友達でマジで良かった」
ベラルーシ…フランスの下辺りを指差してち○こなんて言っちゃ駄目だよ!?なんかロシアがドン引きしてるよ!?
「本当にやりそう」だって?やりそう、じゃなくて、君の妹は本当にやると思うよ。ほらご覧。やけにゴツくてでかいハサミを持ってるよ。
身の危険を感じたフランスはハンガリーの後ろに隠れ、盾にされたハンガリーはこの変態野郎とフランスをフライパンで殴った。
いつかフランスの頭が陥没しそうだなぁ…
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作者名:ヴァーニャ | 作成日時:2017年3月10日 0時