2の世界【彼女の居ぬ間に】 ページ46
「……とりあえず、侯爵をどうするかを話し合うか」
プロイセンがそう呟くと、アメリカはマカロンを摘まみながら「悪役の退場の仕方なんて、大体決まってるだろう」と返す。
イヴァンはそんな二人を見ながらマカロンを並べる。
「砂糖は外国にも輸出しているらしいね。さて、今回の騒ぎが起きたらどうなるか…」
「まあイヴァンさん、食品を扱う所にゴキブリが出た、腹痛になったとするとイメージが大幅にダウンしますよね。それに大量となると…くすっ」
「菊ったら黒いんだぞー。…国情に関わる事態になるのは間違いないよね。だから砂糖の管理をどうしてるか疑い、調査する事だって出来る」
「アメリカも黒いだろ。侯爵のバックに居る国は砂糖の消費量がとても多い所みたいだし、だからこそ侯爵の砂糖を安く手に入るようにしたかったんだろうな」
「プロイセン君が考えたシナリオなんだから、一番腹黒いのは君でしょ」
「よく言いますね。…そもそも貴方が殆ど調べ、1人潜り込んで侯爵の罪を大きくしたくせに」
菊にマカロンを向けられたイヴァンは微笑み、並べたマカロンをぐしゃりと潰した。
「僕は軽く現実を囁いただけ。実行したのは侯爵の意思だよ?
最初こそ国を乗っ取るつもりはなく、本当は王子をあんなに酷い状態にするつもりもなく、そもそも好きな人には気付いてもらえず…なんて可哀想な人だろうね。
でも無知は罪だ。知らなかったからなんて言い訳、幼子にしか通用しない」
菊は楽しげなイヴァンを見て肩を落とした。
「本当は侯爵は結構良いご趣味をしているなんて、Aさんには言えませんね…」
「菊がそう言うなんて珍しいね?嫌がる俺のAにしつこく変な本を見せようとしてるくせに」
アメリカの言葉に、菊は花が咲いたような凄く良い笑みを浮かべた。
「嫌がる美少女って…えろくないですか?」
「か、可愛い!流石は俺のA!」
微妙に嫌そうな顔をしたAの写真を見て、プロイセンは呆れたように「可哀想だからもうやるなよ」と菊に言う。菊は笑うだけで聞いてなさそうだ。
「プロイセン君。君ってそうやってAと距離を置いてるけど…本当はAをどう思ってるのかな?妹?友達?」
いつの間にか近くに来てニヤニヤと笑うイヴァンを見て、絡まれたプロイセンは嫌そうな顔を浮かべる。
それすらもイヴァンは面白いらしく、まだニヤニヤとしていた。
「どっち?」
「さあな」
「どっちでもないとか?」
「…マカロン食ってろ」
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かななん - シリーズ序盤のほわほわギャグは何処へ……? (2021年12月11日 22時) (レス) @page3 id: 4cf51eeb61 (このIDを非表示/違反報告)
Kちゃん - 王子…実はホモじゃなかったのか…?大好きなお兄ちゃんと遊ぶ(その通りの意味)感覚なんですかねぇ… (2017年6月19日 16時) (レス) id: 2ce2e79cd6 (このIDを非表示/違反報告)
Kちゃん - お久しぶりです…最近サイトに来なかったのでその間に話が貯まっていて読みごたえがあり嬉しいですw しかし…ぷーちゃんが好きとはなかなかいい趣味してるな王子!(倉掃除領) (2017年6月19日 15時) (レス) id: 2ce2e79cd6 (このIDを非表示/違反報告)
ヴァーニャ(プロフ) - sorasiさん» 菊さんはイヴァンさんのやり返してくるギリギリを見極めていますので無事でした。……どんな事をしたかはご想像にお任せします(笑) (2017年1月1日 10時) (レス) id: ed671a183d (このIDを非表示/違反報告)
sorasi(プロフ) - ……どんな誘惑したんだろ。菊さん。 (2016年12月31日 20時) (レス) id: d37c8d6fea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヴァーニャ | 作成日時:2016年12月9日 19時