一方通行【snr】 (ページ28)

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最後のデート。ページ28

snr side

「A」

そう、彼女の背中を見つめて呟くと、彼女は眉を八の字にして俺を見た。

A「…せんらくん」

透き通った、今にも消えそうな声で俺を呼んだ。

snr「…なんで言ってくれんかったん。」

すると彼女は「やっぱり」と言った風に俯いた。

A「…怖かったから。」
snr「なにが。」
A「…もういいでしょ、ごめんね言わなくて。ていうか、今日言おうと思ってたから！！」
snr「…。」

A「へっ、っちょ！！」
snr「学校サボろ。」

A「はぁ！？」

俺は半ば強引に彼女の腕を引っ張った。

Aside

A「ちょ、ちょっとせんらくん？待って、ほんとにサボるの？待って、ちょっと！！」

いくら話しかけても振り向かないせんらくん。
駅の時計は遅刻確定の時間を指していた。

サイアクだ、今日クラスで言おうと思ってたのに。

A「ねぇ、ごめんって、謝るから！！ちょっと！！」

無理やり手を振り下ろすと、ようやく彼はこちらを向いた。

snr「…許すから、最後のデート。行こ？」

A「へっ、」

固まる私をよそに、せんらくんは手をとって足を進めた。