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あいじょーひょうげんいち。「叶わぬ恋」 urt ページ1

urtside

urt「っはぁ…すき…。」
画面をそっと指でなぞり,無意識に口から本音が出る。

urt「…最近寝不足なのかな,かわいい、」
彼女は活動名。本名はA。
本業は歌い手、ボカロP、絵師、MIX師としても仕事をする、俺のかわいいかわいい大好きな人。


urt「…通知??あ、配信か。」


活動名「こんちは、ふぁぁ…ねっむ、」
urt「…寝起きだ、くそかわいい…」


「寝起きですか、」とコメントを打つ。もちろん推し活用のアカウントなため、気軽にコメントができる。

A「…ん、あ、んっふふ、よくわかったねぇ、寝起きなのぉ」

urt「〜っほんとかわいい…♡」

俺のコメントを拾ってくれた??相思相愛??

urt「あ“ー…すきぃ…。」
ちょっと前まで「かわいい、」「面白い」だけだった感情は、どんどん膨らんで「すき」になる。
彼女の声だけでも愛おしくて,ライブに行くとたくさんファンサをくれるリスナー想いの俺の天使は、いつも可愛らしい。

A「…今日??きょーはねー、お菓子作った!!」
urt「お菓子、…」
食べてみたい,Aのお菓子。

urt「…だって、Aが触ったってことだろ??」

変態チックなのはわかっているがどうもそう考えてしまう。なんだよそれ、絶対食いたいじゃん??

urt「あーぁー…、もうすき…結婚したい…。」
できたらどれほど幸せか。毎日毎日緑色のエプロンでお出迎えしてくれる姿はさぞ可愛いのだろう。

urt「っやば…今日買い物行かなきゃ、」
家になんもねぇ…

urt「… Aの配信終わったら行こ。」
やっぱり、彼女の声は最後まで聴いていたいのだ。


Aside

私には、ずっとずっと昔から推してくださる古参の方がいる。
A「…ぁ、」

今日の配信、寝起きを当てたあれもその人だな、と思いながらスマホを閉じる。
コンビニにでも行こうとだぼっだぼなパーカーを着て髪も軽くまとめて外へ出る。


A「ひゃっ、ぁ、」

「っわ、ごめん、なさ……へ、」

そこには…

A「…うらたさん??」

茶髪で、綺麗に澄んだ緑色の瞳。

ずっと応援してくれた、大切な人の姿があった。


urtside

ずっと、ずっと好きだった,

A「ぁ、えっと、うらたさ、」

彼女が呼ぶのは,俺の名前、

urt「っAちゃ…」
A「っへ??なんで、名前、」

しまった、ついAちゃんがいる事実で冷静さが…

urt「えっと…」

好きだから調べた。なんて言えるわけがない、が…


A「…うらたさん??」
urt「っご、ごめ、」
A「へっ!?」

俺はその場から逃げ出した。

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作者名:ほむぽん | 作成日時:2023年4月6日 1時

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