【ｲﾅGO】幽霊【霧野蘭丸】 (ページ7)

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7夕方ページ7

日は傾き、空は赤一色

秋の北風がﾋｭｰと吹く。

少し肌寒い。

神童「────。.........霧野？」

霧野「あ、ごめん。もう一回頼む」

神童「今日狩屋休みらしくて家近いし、様子見に行ってくれないか？」

霧野「あ、ああ！わかった」

吸い込まれるような感覚で道を歩く。

何かに呼ばれてる

そんな気がした。

最近俺がボーッとしてることに神童も皆も不思議に思ってるらしい。

前よりもさらにひどい

そう浜野に言われた。

俺の目の前に木の葉が一枚散り落ちてきた。

一瞬の間だった

瞬きよりも早い一瞬

そこには彼女がいた。

霧野「A......？」

しかし彼女は振り返らず歩き出した。

その早さはだんだんと早くなり

ついには走り出した。

A「生き霊...かもね」

河川敷につくと彼女はそこにいた

そしてどうして止まってくれなかったのかを聞くとそう言ったのだ。

A「だって私はここから動いてないよ」

霧野「んな...霊なんて...ましてや生き霊なんてそんなの」

A「ま、いいじゃん。小さなことは気にしなくても、ね？」

何かを隠すような

そんな言い方だった。

A「私ね、夕方が好きなの。」

霧野「夕.....方？」

A「そう、夕方。夕方はね、朝と夜を入れ換える狭間だって言われてたらしいの。だから好き。霧野が見た私は......きっとドッペルゲンガーなんじゃないかな」

彼女の話を聞いてると長くなりそうだった。

霧野「あ！そうだ、狩屋の様子を見てこなくっちゃ」

A「狩屋....？」

霧野「俺の部活仲間なんだ。とりあえず、またなA」

A「うん、じゃぁ、また」

俺は少し早足で狩屋の家に向かった。

孤児院が見えてきたところで日は完全に落ちた。