21驚き ページ21
A「はぁー、おいしかったぁ」
そういってソファーから立ち上がるA。
A「よし。帰るね」
そう一言だけの残し、玄関に近づいていった。
霧野「あ、ちょっと、待て！！」
俺はこいつの腕を強く引っ張った。
A「わっ…！？」
こいつは反動で倒れそうになった。
俺はこいつの頭をかばうためそいつの頭に手を伸ばす。
ﾄﾞﾝ
・
A「…ぁ」
霧野「す、すまん。強く引っ張りすぎた…」
霧野「おい？大丈夫か？」
俺が顔を上げると、
こいつは
Aは
顔を真っ赤にしていた。
霧野「…！？どうした、……あっ…」
自分の体制に気付く。
A「…」
霧野「その…こんなつもりじゃ…」
A「……退いてよ」
まだ頬が赤いA。
霧野「すまん…」
俺はそいつの上から退き、近くに座った。
彼女も近くに座った。
何とも言えない空気が流れる。
A「あの」
霧野「なぁ」
話すタイミングが被った。
A「ごめん…先どうぞ」
霧野「いや、先、言え」
A「ご飯ありがとう。おいしかった…でも、もう」
A「帰るね」
・
霧野「あの、さ、今晩は、泊まっていかないか？」
A「泊まる…？霧野の家に？」
霧野「あぁ」
A「…いや。帰りたい」
霧野「…なんで」
A「少しでもいいから、お母さんと居たい」
霧野「？…そうか…じゃ、仕方ないか…送っていこうか？」
A「遠いの。私の家。隣町だから」
霧野「なら、なおさら…」
A「別にいい。一人で帰れるから…」
霧野「そっか…」
玄関ドアを開け
霧野「おやすみ」
とだけ言った。
彼女は何も言わずにそのままドアを閉めた。
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作者名：みずい | 作成日時：2014年11月16日 16時
