二話｢花開院秀元と云う人｣ ページ3
その言葉にAは恥ずかしくなって思わず俯き体が硬直して表情を曇らせる。
秀元さんの心の声は聞こえてこない。
そんなAの姿を見て秀元さんはクスッと笑う
｢図星…みたいやな｣
｢……っ、すみません…。｣
癖になった謝る言葉に秀元はキョトンとする
｢なんで、謝るん？変なお嬢さんや｣
なんて、顎のところに人差し指を当て、
Aの顔を覗き込むように首を横向きに屈める
そして、ひとつの質問を言う
｢な、お嬢さん。空は飛んだことある？｣
その言葉に今度はAがキョトンとした
｢えっ、あ、ありません。というか、無理です...｣
首を横に降ると｢ははっそやな。｣秀元さんは笑う。
笑顔の絶えない人だわ。なんて考えていると秀元さんは立ち上がりAに手を差し出した。
｢ほな、行こか｣
｢え。行くって何処へ……｣
｢決まってるやん。空を飛ぶんや｣
｢……ええっ？！｣
なんて、ことを言う秀元さんは戸惑う私の手を取り立ち上がらせる。
｢ほら、大丈夫やから。｣
ニコッと無邪気な笑顔が私の心を何故か大丈夫だと思ってしまい手を引かれ、秀元さんの牛車のような式神に乗せてもらう。
浮いていくのに少し怖がるとそれを見抜いたように
隣にいるAの手を秀元さんが握った。
｢……｣
空を行く牛車から下をゆっくり見下ろす
夜には町の灯りがよく見えた。
｢わあ。こんな風に見えるのですね…凄い。｣
と目を奪われる私を後ろで目を細目ながら笑う秀元さんに、気づかず暫くの間それを見た。
｢…気晴らしになった？｣
不意に秀元さんが声をかけた
Aは振り向いて
秀元さんが気晴らしに連れてきてくれたのだ、ということに気づいた。初めて会ったのに。
会ったばかりの私に、…何て優しい人なのだろう。
｢……はい…有難う、ございます…っ、とても、綺麗でした｣
思わず流れた涙と共に久しぶりに心からの笑顔が自然と溢れた
秀元はそんなAを見つめ困ったように笑って頭を撫でた
｢ようやく笑ってくれたね。笑った方が可愛い。あ、でも泣いてる君も可愛かったけどな♡｣
なんてお茶らけて笑う秀元さんにつられ、Aもまた笑った
ー
｢君、名前なんて言うん？ずっと君じゃ不便やからな｣
と真っ直ぐに目を見て聞いてくる
｢あ、私はAと、いいます...貴方は、花開院秀元さま、ですよね、？｣
恐る恐る聞くと
｢なんや知っとたんか｣
｢知らない人はいないかと、｣
｢ははっ、そうか♡｣
と秀元は笑った。
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黒崎沙夜子。(プロフ) - bossa6brasilさん» 初めまして、私も秀元さん魅力のある方ですよね、私も幼い頃に見て色々ありアニメを見たらすっかり好きになって…全巻買いましたけど、本当に終わってしまって残念ですゆっくり更新してゆきたいと思っております、身に余る言葉ですが励みになります有難う御座います！ (2023年1月17日 22時) (
レス) id: 71f79be20a (このIDを非表示/違反報告)
bossa6brasil(プロフ) - はじめまして。花開院秀元が大好きで、連載やアニメが終わって残念ですが数年経っても彼に関する作品が見れてとても嬉しいです。黒崎さんの描く文章や世界観が好きです。また楽しみにしております。 (2023年1月17日 21時) (レス) id: 04c0afef8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒崎沙夜子。 | 作成日時：2022年11月29日 16時
