雷門に来たシードは豪炎寺の義弟でした２【イナGO】 (ページ7)

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５４話　起死回生の策ページ7

「化身の合体だと!?」
「そんな事ができるのか天馬!?」
「わからないんですけど、俺と剣城と神童先輩の化身を新雲みたいに一つにすることができないかなー？って…。」
『……。』
ふわふわした天馬の考えに剣城と神童はビミョーな顔を浮かべる…。
「試す価値はあると思う。」
「A、なぜそう思うんだ？」
「剣城は知らないと思うが、昔フィフスセクターでは化身の合体をしたことがあるんだ……一度も成功したことはないけどな。」
「おいおい…」
「まぁ待て剣城、実力しか信頼してない奴らと俺たちは違う。…それに、こっちのDF陣もジリ貧だ、早いうちにイーブンにしないと気持ちの面でやられてくる。」
「試すしか…なさそうだな。だが。どうする。前俺たち3人には厳しいマークがついてる…。化身合体なんてやる隙なんて…。」
「まぁ、そこは肉を切らして骨を断つ?ってやつですよ。」

後半20分、雨宮は不思議な違和感を感じていた。雷門の前線の動きが良くないのだ。前半に苦しめられた司令塔がまるで機能しておらず隙だらけに見えたのだ。
だが、雨宮としては攻めるしか選択師がなかった。試合のスコアは1点リードしているが、雨宮の体は限界寸前。そして雨宮が動けなくなれば両者の力の差は歴然となってしまう。雨宮としてはそうなったときのためにもう１点取る必要性を感じていた。そしてそれは化身の力を雨宮に送る新雲イレブンにも伝わっていた。

「行くぞ!!」
新雲が雨宮を中心に大人数で前線に上がってくる。
(来たぞ…。)
AはDF陣とアイコンタクトをする。

雨宮と新雲イレブンは雷門のDFを掻い潜り信介、天城、Aの最終ラインまでボールを持った雨宮を送り込むことに成功した。
新雲イレブンが勝利を確信している一方で、雨宮は二度目の不気味さを感じていた。

まるで、わざと抜かせたかのような違和感を。