雷門に来たシードは豪炎寺の義弟でした２【イナGO】 (ページ12)

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５９話決勝戦ページ12

ホーリーロード決勝戦、聖堂山との試合が始まろうとしていた。
Aはベンチから反対側の聖堂山ベンチを眺める
(まぁ、当然いるよな。修也。……敵に修也がいるなんて始めてだ…。)

「集合!」
神童の号令で全員がアップから戻る。
「皆!これが最後の戦いだ!行くぞ!!」
「「オーッ!!」」

(…これが…最後…か。)

ーーーーーー
ピッーー!

将来の日本サッカーの命運をかけた試合開始の笛が鳴る。

キックオフ早々に聖堂山の黒裂にボールが渡る。
「いかせるかよ!」
Aは黒裂に迫る。
「黒裂！！」
「!?」
黒裂の後ろから聖堂山の選手が声がかかる。
(バックパスか!?……ってボールが消えた!?)
戸惑うAをよそにボールを持たない黒裂が横を通る。
そして黒裂の走った先に空中からボールが落ちてくる。
「……!」
(後ろの選手の掛け声で俺が目線をずらした一瞬でヒールトスを上げたのか!……修也から教わってるだけあるな……。いや、それよりもー)

最終ラインに迫る黒裂に雷門DF陣が道を塞ぐ。
だが黒裂は右サイドに走ってきた聖堂山選手にパスを出した。
「センタリングか!?」
霧野の声に雷門ＤＦ陣は警戒を強め、狩屋がボールを受け取ろうとする聖堂山選手に迫る。
「ハンターズ…って!うわっ!?」
しかし聖堂山選手はボールをトラップせずにダイレクトで空中に蹴り上げた。
不意をつかれた狩屋と他の雷門ＤＦ陣は上を見上げる。

…そこには飛び上がる黒裂がいた。

「……バリスタショット!!」
「なっ!しまった!!」
不韋をつかれた三国が飛び込むがその手がボールに届くことはなく……
……聖堂山が先制点を入れた。

呆気にとられる雷門イレブンの面々の中、Aは聖堂山ベンチを見つめていた。
(ーこれが厄介だな。今までのチームは化身使いを中心に全てが回っていた…言うならばワンマンプレーのようなものだった。だから俺たちのチームプレーが効果を発揮したとも言える。だが……聖堂山のあの動きは…)

「雷門のサッカーと似ているな…。」

ーーーーーーーーーーーー
聖堂山の先制点で雷門イレブンが呆気に取られる中、神童は１人自分の足を見ているようだった。

続く