▽ 55.こんなことしてて ページ16
「……貴方達、こんなことしてて良いんですか?」
守護戦士の剣を振り払い、ドスを効かせた大声で言う。
一瞬しいん、と静まった場。
その隙を逃さず、ヒーラーの一人に駆け寄る。
「あ、しまっ……!!」
<百舌の早贄>。
呪文詠唱を遮れば、少しは有利になる。
また動き出したパーティー。
そして、あたしの言葉の真意を計りかねているらしい守護戦士は、剣を大きく振るいながら尋ねてくる。まあ大したことを言おうとしているのでもないのだけれど。
「それ、どういう意味だよっ」
「意味も何も……元の世界に戻るに戻れなくなるかなあ、と」
賭けに出よう。
構えた刀を、大きく円を描くように舞わせて。
「<大回転斬り>っ」
近くにいた守護戦士と盗剣士に大きめのダメージ、後衛の妖術師にも少しダメージを食らわせる。
一人の回復職はまだ声が出せないようだ。
__あと20秒。
今のうちに、と妖術師にも呪文詠唱阻害をしておき、また挑発してきた守護戦士に仕方なく向き直る。
「……だからっ、どういう、意味だっ」
途切れ途切れに言う守護戦士。
……少しは余裕を削げたか?
また守護戦士の剣をはじきながら、今度は盗剣士の攻撃もかわす。
妖術師の攻撃は意外と強く、避けきれなかった分だけ確実にHPを削っていた。
と、守護戦士のHPが半分ほど回復する。
ヒーラーにかけていた阻害の、効果時間が切れたのだ。
にたりと守護戦士が笑う。そしてまた挑発。いい加減しつこい。芸のない奴だな。
「いいんですね? 元に戻れなくっても」
再び言ってみると、守護戦士は一瞬守りを緩める。
刀を振るう。今度はヒーラーも巻き込んで。
「……何なんだよっ」
いらついたような声に、優しく答えてあげる。
「いいえ? どうぞお気になさらず」
背後から迫ってきた盗剣士の攻撃を避ける。
そして前に向き直ると、守護戦士の剣をはじ__
こうとしたその時、目の前に炎が飛んできた。
……妖術師の阻害が、効果を終えたのだ。
正面から火を受け、HPが絞りとられる。
ついに緑じゃなくなったHPゲージには、ヤバいよ! と言わんばかりに赤く光る『状態異常』の文字。
火傷か。
あたしが怯んだのを、守護戦士は見逃さなかったようだ。
そして、ついにあたしの脇腹めがけて剣が振るわれる。
もう終わりか。
ぎゅっと目を閉じた。
〜*〜*〜*〜
<大回転斬り>は、西風の旅団の漫画でイサミちゃんがやっててかっこよかったので入れてみました(笑)
- 金 運: ★☆☆☆☆
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天ノ弱な月猫(プロフ) - 凄く面白いです!応援してます!更新待ってます! (2018年6月21日 14時) (レス) id: 5bf48274f0 (このIDを非表示/違反報告)
樹(プロフ) - 続きが楽しみです! (2017年11月7日 23時) (レス) id: 0cd4f5c3ec (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - 更新再開待ってます (2017年9月30日 1時) (レス) id: aea21ba90e (このIDを非表示/違反報告)
彼方 - 僕も二人大好き何ですよ!いやはや・・・実は僕も夢大好きで!もう色々ヤバいです!黒髪美女・・・中2患者としてはたまりませんね!・・・っと、長文失礼しました。更新を楽しみにしていますね。 (2016年5月23日 2時) (レス) id: f81975a2a2 (このIDを非表示/違反報告)
黒崎暁月 - よっしゃ仲間がいた(ガッツポーズ) 周り剣聖推しやらおぱんつ推しやらばっかなので嬉しいです〜!!ありがとうございます!更新遅くてすみません>< (2016年4月30日 7時) (レス) id: fd640bf3ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒崎暁月 | 作成日時:2015年1月19日 21時