▽ 42.EXPポット ページ2
アリアちゃんを筆頭とする女子達が彼を敵視しているからといって、交流を一切絶つわけにもいかない。
(ただ、藤間さんには『先生はいっつも脇が甘いんですから、気を引き締めて対応するようにしてください』と言われているけど……。)
断る理由も特にない。
だが、もう少し深く掘ってみようか。
「では、『黒剣』のアイザック様に関しては、どんな理由で?」
「……じ、実は」
恐らく、話していいか、という確認のために神祇官に目配せをした彼。
そして、彼女がかったるそうだがしっかりとうなずいたのを確認して、彼は切り出した。
「初心者を無闇に勧誘するギルドを、街で見かけたことはありませんか」
ふと、この間藤間さんと買い物がてら街を散歩したときのことを思い出した。
半ば強引に腕を引っ張られていく初心者であろう真新しい装備に身を包んだ神祇官の女の子とどこか顔の似ている武士の男の子を、見た。
見た、だけだった。
どこにも身寄りがないよりはマシだと思ったから。
「その初心者プレイヤーが、酷い扱いを受けている。そんなギルドがあります」
「自己顕示欲や支配欲を満たすためでしょうか」
「それもあるかもしれませんが、本当の目的はそこではありません」
何だろう、と思案しかけた時、藤間さんが言った。
「EXPポット、でしょうか」
「……鋭いですね。その通りです」
感心したように何度も頷く彼。
……EXPポット、か。
確か初心者プレイヤーにのみ一日一回配布されるアイテムだったはずだ。
経験値が普通より多く得やすくなったりだとか、言葉通り『初心者が早くゲームに慣れて楽しめるように』生み出されたため、色々ありがたいお助けモノだ。
それを目的とした初心者勧誘だったとすると……。
「あ、もしかしてそこで繋がっちゃう感じ……?」
「せ、先生!お客様が目の前にいらしてるのにその口調はっ」
あ、しまった。
と、思ったのもつかの間。
「そうですね。恐らくAさんの予想している通りです。……<黒剣騎士団>は、そういうギルドからEXPポットを仕入れ、自身らはLv.90以上を目指しているようなんです」
特に気に留めてはいなさそうだ。良かった。
にしても。
やっぱり、か。『黒剣』が体育会系なのは前々から聞いていたが、まさかそこまでやるとは。
……後ろめたさとかその辺りの弱味を握ったってわけか。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
コミック『西風の旅団』
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
154人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
天ノ弱な月猫(プロフ) - 凄く面白いです!応援してます!更新待ってます! (2018年6月21日 14時) (レス) id: 5bf48274f0 (このIDを非表示/違反報告)
樹(プロフ) - 続きが楽しみです! (2017年11月7日 23時) (レス) id: 0cd4f5c3ec (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - 更新再開待ってます (2017年9月30日 1時) (レス) id: aea21ba90e (このIDを非表示/違反報告)
彼方 - 僕も二人大好き何ですよ!いやはや・・・実は僕も夢大好きで!もう色々ヤバいです!黒髪美女・・・中2患者としてはたまりませんね!・・・っと、長文失礼しました。更新を楽しみにしていますね。 (2016年5月23日 2時) (レス) id: f81975a2a2 (このIDを非表示/違反報告)
黒崎暁月 - よっしゃ仲間がいた(ガッツポーズ) 周り剣聖推しやらおぱんつ推しやらばっかなので嬉しいです〜!!ありがとうございます!更新遅くてすみません>< (2016年4月30日 7時) (レス) id: fd640bf3ca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:黒崎暁月 | 作成日時:2015年1月19日 21時