codename：174 ページ35
「お母さんはね、時々私に電話をして言うんだ。
『晩ご飯は何にしよう』って…いつ、ここから出られるかも
まだ分からないっていうのに…
それが『早く帰っておいで』って言われてるみたいで、
私は嬉しかったけど、怖かったの…。
それで電話を拒否してたら、本当にに一人ぼっちになっちゃって…
もう、どうしようもなく寂しくなって…
だけど、お母さんの優しい言葉は聞きたくなくて……」
奈美の頬に涙の筋が通る。
「お母さんは信じてくれてた。
こんな私を、ずっと信じていてくれた…。
お母さんはあの人も信じていた。
まるで全部知ってたみたいに、『私は信じてるから』って…」
翔が思ったことと全く同じことを奈美も口にした。
栄養不足のせいで痩せた細い身体で、奈美は床を叩いた。
「本当のことが分かって、嬉しかった。
でもっ、あの人が私の代わりにいじめられてたなんて、
そんなの私が悲しすぎるよっ…。
ごめんねって言おうと思ったら、もうあの人はいなかった。
一人の男の人…そうだ、マサキさん…?
マサキさんを連れて、消えてっちゃった…!!
ごめんねくらい…言わせてよ…」
最後の奈美の呟きは、和也に投げられたものだった。
既にこの場にはいない和也の笑顔が思い浮かんだ。
「どこに行ったか、知ってる?」
「さぁ…ただ、『もう二度と会うことはないだろうね』って言ってた。
翔に…伝言もあるの。それは確かマサキさんから。
『私ハ、和也ト一緒ニトアル街デ暮ラスコトニシマシタ。
ソシテ一ツ、博士ニ言ワナケレバナラナイコトモアリマス。
私ハモウ、研究室ニ戻ルツモリハアリマセン。
タダ、博士ノセイジャアリマセン。
今マデ本当ニアリガトウゴザイマシタ。サヨウナラ』だって」
codename：175→←codename：173 ↓01/11↓
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夜空(プロフ) - おみやさん≫返信が遅れてしまい、申し訳ありません(泣)自分で書きながら「ああ、良いお母さんだ」とか思いました(笑)確かに最近はこういう方が減ってますよね…悲しいです…。 (2011年12月27日 17時) (
レス) id: 1bf64a127c (このIDを非表示/違反報告)
おみや(プロフ) - う〜ん我が子を信じる母の思いが伝わってきますね〜。しっかりした意志を持っている最近こういう人みないな〜┐(￣ヘ￣)┌ (2011年12月24日 17時) (レス) id: 9d07d6d4b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜空 | 作者ホームページ：http://ameblo.jp/moegiiro2417/
作成日時：2011年12月20日 18時
