回避能力極振り少女【d!】【ら運】【ncj組】【WT】

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進級してから一ヶ月が経った。


そしてこの一ヶ月間、攻略対象者らには驚く程会っていない。本当に同じ学校にいますよね？というレベルだ。まぁこの学校の校舎が広いというのもあるが...にしても回避能力様々だとつくづく思うのだった。


後々気づいたのだが、この学校は体育などと言った合同授業やテストの点数などによって分けられる習熟度別授業は基本二クラスで行われるため、私たちD組は隣のC組と一緒になる。つまり、A組と関わることがほぼ無いに等しいのだ。



ただ唯一接点接点ができてしまったなかむさんとコネシマさんとゾムさん。この三人のバッドエンドを踏んでしまう確率が今のところ一番高いと思うからより一層警戒しなければ。




「いいんちょー、ごめんここの問題よく分からなかったんだけど...」



とある日の昼休みにそう考え事をしていると一人のクラスメイトの女子が話しかけてきた。


今までは攻略対象者らのガードが硬くて友達どころか話しかけてきてくれる人すらもいなかったのを思い出す。ほんと久し振りに彼ら以外との交流をした気がした。



ちなみに私、数え切れないほど何度も高校2年生を繰り返しているため勉強の方はかなり良い方となっている。まぁこんなに繰り返し授業を受けさせられてたら嫌でも覚えてしまうわな。



『どこが分からないの？』と言うと彼女は「やった！ここの問題なんだけど...」と興奮気味で説明してくれた。



『んー、どうしてこの答えになると思ったの？』

「えっとこの部分を因数分解して...あっ！」


なにかが分かったようなので彼女にシャーペンと消しゴムを貸してあげるとスラスラと先まで解けなかった問題を解いていった。



「ちゃんと解答と同じ答えになった...いいんちょーすごい！ありがとう！！」


昨日の夜からずっと考えてたのに！と話す彼女に思わずふふ、と笑がこぼれてしまう。



『私は何もしてないよ』

「いいんちょーは相変わらず謙虚だなぁ...。今度購買でなにか奢るよ！」

シャーペンと消しゴムもありがとね！と言い彼女は自席へ戻っていく。いや私ほんとなにもしてないからそんなに気を使わなくてもいいんだけどね。まぁでも貰えるものは貰っておこうか。



...あ、そう言えば水筒の水全部飲んじゃったんだっけ。昼休みが終わるまでまだあるし自販機にでも行って飲み物買ってこようかな。

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