また逢う日まで【WT】 (ページ9)

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『これから私は夜回りに行ってくるから。今日は満月で魔物が活発になっているから外には絶対出ないでね。安心して、すぐに戻ってくるから！』

そう言ってこの家から出ていったのは僕たちをここに連れてきた魔女。

彼女がこの場からいなくなった瞬間、緊張がとけたのかさっきまでの無口な様子とは打って変わって各々が好きなように話し始めた。

br「ふふっ、あの魔女さんは悪意に溢れてない優しい人だね」

kn「本当に？...きっとどうせまた裏切られるのがオチだって」

br「でもあの人はきっと違うよぉ！ご飯だって美味しかったし、みんなの傷だった治してくれたし」

shk「でもその飯に毒でも入ってたら？」

br「入ってなかったじゃん！」

shk「今日は入れてないだけかもしれねぇだろ」

br「でもそんなものはどこにも見当たらなかったけど？」

shk「隠してるだけだろ」

br「でも！」

「...あーもう！ぶるっくもシャケもあげたらキリがないから一旦やめて！」

このままじゃ永遠に言い合いが始まってしまうと考えた俺はお腹から声を出して思いっきりそう叫んだ。

俺のその一言で2人は典型的な子供の喧嘩のようにそっぽ向いてしまった。

きんときはニコニコしているしきりやんは2人を宥め、スマイルに至っては棚に置いてあった本を勝手に読み始めている。

...大丈夫かなぁ。スマイル後で怒られたりしないよね？

br「んで？なかむはどう思う？」

shk「そんなの考えなくても明白だろ」

2人が言っているのは恐らくあの魔女を信じるのかと言う事だろう。

「...一概には言えない。でも俺たちはこれまで大人に酷いように扱われてきた。だからぶるっくみたいにそう簡単には信じきれない」

そう言うとシャケが「ほらな？」と勝ち誇ったかのような笑みを浮かべ、ぶるっくは続け様に「えぇ〜見る目無さすぎじゃね？」と言い始めた。

br「じゃ、じゃあ他のみんなは？どう思うの？」

kr「俺はなかむと同意見」

kn「俺も同じかな」

sm「...興味無い」

br「はぁ〜？みんなして何それぇ？」

ぶるっくはへそを曲げながらソファーの端っこに座った。