また逢う日まで【WT】 (ページ8)

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急いで家へ向かうと、幸いにもまだ家を魔物が襲ってなかったものの、一目散に家へ向かっている複数の魔物を見つけた。

高度を下げながら魔法でいくつか氷柱を生成し、その魔物目掛けて飛ばして攻撃する。

すると魔物らは私にターゲットを変えたのか、大きな雄叫びと共に私の方へ襲ってきた。

...確かに私は魔族を倒したパーティーの一員だったけど、これは...

『私も少し本気にならないと』

様々な魔法を繰り出して防衛と攻撃を続け、残り一匹まで追い詰めた。

だが味方がどんどん倒されていくところを目の当たりにしてたのか先程までの威勢はまるでなく、魔獣は攻撃ではなく逃亡するためのチャンスを見計らっていた。

まぁ、でもこっちも逃がすつもりは微塵も無いんだけどね。

私が魔法でその魔獣にとどめを刺そうとした時、私の家のドアが開く音がした。

そして勢いよく開けられたドアの前には背の低い黒髪の少年が私を見つめ、立っていた。

『危ない！！』

魔物は彼を見つけるや否やターゲットを彼に変え、一目散に駆け出して飛びつこうとした。

どうしよう、このままじゃ間に合わない

私は無意識のうちに氷で剣を生成し、目の前にいる少年に飛びつこうとしている魔物を真っ二つにして斬った。

斬られた魔物は重力に従い地面にぐちゃっと音を立てて倒れると、その身体はみるみるうちに塵のようになって消えていった。

私はすぐに持っていた氷の剣を消失させるとドアから出てきた黒髪の少年の元へ駆け寄った。

『大丈夫？怪我は無い？』

目を見開き尻もちをついていた彼にそう問うと、小さく首をこくんと縦に振って一目散に部屋の奥にいる他の5人の元へ逃げ出して行った。

『良かった...ちゃんと守れた』

ほっとした気持ちとは裏腹に、剣を握っていた右手は過去にあった何かを思い出したかのようにふるふると震えていた。